米外交問題評議会(CFR)のマイケル・フロマン会長は最新の論考で、中国共産党(中共)が過去20年間に築いてきた「輸出主導型」の経済モデルはすでに行き詰まっており、世界的な経済危機を引き起こす可能性が高いと警告した。
フロマン氏によると、中共の昨年の貿易黒字は1兆2千億ドル近くに達した。輸出規模も大きく、世界の物品貿易に占める存在感を急速に高めている。こうした輸出への過度な依存は、短期的には中共に利益をもたらすものの、政治面でも構造面でも長続きせず、世界経済にも大きなリスクをもたらすとしている。
中国企業は市場シェアを広げるため、低価格競争を続け、政府補助金を使って生産能力を拡大してきた。その結果、中国製品の価格は海外の競合製品より30%安くなり、製造業企業の3割近くが赤字に陥っている。補助金と過剰な生産能力に支えられた低価格輸出は、他国の産業や製造業に打撃を与えている。
アメリカの経済学者、黄大衛氏は、「中共の製造業は、計画経済の論理によって生産規模を拡大し続けている。特に、政府補助金と不平等な競争条件を利用して、世界の他の生産者を打ち負かそうとしている。その結果、安価な商品を世界市場に大量輸出している」と説明した。
そのうえで、「価格の安さは、品質や生産効率によるものではなく、不平等な競争と輸出補助金によって成り立っている。当然、こうしたやり方は、市場原理に基づく他国の経済に大きな打撃を与える」と指摘した。
分析によると、中国の過剰生産能力は、単なる景気循環による需要不足ではなく、根深い構造問題である。主な原因は政治主導の投資拡大にあり、生産を重視する一方で消費を軽視してきたことが、需給の不均衡を招いている。
中国の低価格輸出と過剰生産能力に対し、国際社会は関税だけでなく、貿易や国内産業を守るための対抗措置を広げている。
黄大衛氏によると、現在、世界各国による中共の低価格輸出品への規制は、従来の関税にとどまらない。
具体的には、「第1に反ダンピングと反補助金措置、第2に原産地審査、第3に原産地偽装の取り締まり、第4にサプライチェーンの追跡、第5に現地生産比率の引き上げ要求、第6に投資や国家安全保障分野での規制強化がある。今後はヨーロッパも追随する可能性がある」と語った。
論考はまた、中共が補助金を使って安価な製品を大量輸出する経済モデルは、根本的に持続できないと指摘した。
今年1~2月、中共の貿易黒字は前年同期比で20%以上増加した一方、国際通貨基金(IMF)は今年の世界経済成長率を3.1%と予測している。世界の需要では中共による急激な輸出拡大を吸収できず、こうした貿易黒字はいずれ中国の不動産市場と同じように急速に崩れ、他国にも影響が及ぶ可能性があるとしている。
専門家は、中共が補助金に依存した輸出を続け、内需拡大に取り組まなければ、経済リスクはさらに高まると警告する。同時に、国際社会も中共に端を発する経済混乱に警戒する必要があるとしている。
中国の金融・投資業界に詳しい徐真さんは、「中国経済の発展モデルは、マルクス主義の政治経済学とソ連型の発展モデルから大きな影響を受けている。その結果、高水準の投資によって過剰な生産能力が生まれた。これは制度上の慣性によるもので、自ら軌道修正することができず、立て直しも難しい」と指摘した。
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