研究:カフェインが認知機能を支える可能性

 2月9日付でアメリカ医学誌『JAMA』に掲載された大規模研究によれば、適度なカフェイン摂取は、認知症の発症リスクを一定程度低減し、認知機能の低下を遅らせる可能性があるといいます。

 研究は、マサチューセッツ総合病院ブリガム分院、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院、ブロード研究所の研究者達によって実施されました。研究チームは、「看護師健康調査(NHS)」および「医療専門職追跡調査(HPFS)」に参加した131,821人のデータを用い、最長43年間にわたり追跡しました。その間、11,033人が認知症を発症しました。

 分析の結果、カフェイン摂取と脳の健康との関連について、有意な結果が示されました。

 まず、認知症の予防に関しては、カフェインを含むコーヒーをほとんど飲まない人と比べ、摂取量が最も多い参加者たち(通常は1日3杯以上)は、認知症発症リスクが約18%低下していました。

 また、主観的な認知機能の低下(記憶力や思考力の衰えを自覚する状態)については、カフェイン飲料を摂取する人の割合は7.8%であり、非摂取者の9.5%を下回った結果が出ました。

 さらに、最も効果がある飲み方は、1日あたりコーヒー2~3杯、またはお茶1~2杯を摂取することとされています。

 一方で、デカフェコーヒーから神経保護効果は確認できませんでした。この結果から、カフェインそのものがリスク低減における主要な原因である可能性が示唆されました。

 認知症は発症後の治療が難しく、効果も限られていることから、早期予防の重要性が指摘されています。こうした背景のもと、研究者らは食生活などの生活習慣に注目しています。

 コーヒーやお茶には、ポリフェノールやカフェインなど生理活性物質が含まれており、神経炎症の抑制や細胞損傷の軽減の効果があって、認知機能の低下を防ぐのにつながる可能性があると研究者は指摘しました。

 ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の第一著者である張羽博士は、遺伝的リスクによる影響についても検証した結果、カフェインの効果は変わらないことが確認されたと強調しました。

同大学医学助教授、研究の共同著者であるダニエル・ワン博士は、「カフェインの効果は比較的限定的であり、認知機能を守る一要素に過ぎない」と強調し、「運動習慣、バランスの取れた食事、十分な睡眠といった生活習慣全体が、脳の老化予防において依然として重要である」と述べています。

(翻訳編集 正道勇)

李言