【大紀元日本8月9日】中国明の時代、常州に呉子恬(ご・してん)という人がおり、彼には孫氏という非常に賢明で優しい妻がいた。呉子恬の継母は、彼に対して非常に意地悪で、彼は時に継母からのいじめに耐え切れず、妻の孫氏に訴えることがあった。そんな時、孫氏は、呉子恬を慰め、彼が継母に対して礼に反することをしないように努めた。
呉子恬の父親が死ぬと、継母はすべての財産を奪い、実の息子に譲った。また、広大な農地を実の息子に与え、ほんの一握りの痩せた土地を呉子恬に与えた。呉子恬は怒りを抑えきれず、義理の弟(継母の実の息子)に訴えたが、聞いてもらえなかった。妻の孫氏は、再び呉子恬をなだめ、継母のあからさまな不公平ぶりを責めないよう説得した。孫氏は、たとえ今は貧乏であろうとも、懸命に働けば将来はきっとよくなると夫を慰めた。
孫氏の言葉に、怒りを飲み込んだ呉子恬は、それ以降不平を言わず、一生懸命に働いた。呉子恬が譲り受けたのはわずかな痩せた土地だったが、2人は力を合わせて丁寧に土地を耕した結果、10年も経たないうちに裕福な家庭を築いた。一方、義理の弟は、賭博にのめり込んで全財産を食いつぶし、親から受け継いだ広大な土地も荒らしてしまった。全てを失い、住むところもなくなった義理の弟と継母を忍びなく思った孫氏は、二人に家に引き取るよう説得した。孫氏は、「恨みに善を持って返そう」と提案したのである。
善には善の報いがある。孫氏の3人の息子は、その後皆科挙に合格し、大成した。
中国には、「悪に対して恨みを持って返せば、いつその因縁が終わるのか?」という言い方がある。悪や不正に対して恨みで返しても、その問題は決して解決しない。ただトラブルが増幅し、終わりのない憎しみの応酬が続くだけだ。もし、意地悪で冷酷な扱いに対して、善を持って返し、寛容な心で対処すれば、悪縁が善解し、憎しみは溶けるだろう。我々も、孫氏に習って実行してみてはどうだろうか?
(08/08/09 09:15)
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