【ハーブティーを楽しみましょう】(19):ヘラオオバコ

【大紀元日本11月29日】「のどが痛いの?じゃ、サルビアのおでうがいなさい」「眠れないの?じゃ、ホップとかのこ草のお茶を入れてあげましょう」という風に、ドイツの家庭では小さな症状が出たらすぐに、常備してあるハーブティーが登場します。古くから伝わる薬草の文化が現代の生活にも活きているのです。薬草の権威、M. Pahlow氏のレシピーを参考にドイツのハーブティーをご紹介しましょう。 

ヘラオオバコ(Plantago lanceolata)

ヘラオオバコ(絵・前田純子)

今回のハーブはヘラオオバコ、ハーブ名はプランタゴです。ヘラオオバコはおおばこ科の多年草で、野原、草原、道端など至るところに自生し、最もよく見かけるハーブの一つです。葉は細長い小刀の形で、縦に3-7本の葉脈がはっきりと見え、20cm-40cmぐらいに伸びます。中心部から10cm-40cmぐらいの茎が伸び、その先に球状の花穂をつけ、5月から9月にかけて開花します。ハーブの採取は、夏中いつでも可能ですが、望ましいのは開花前の新鮮な葉を摘み取り、風通しの良いところでしっかりと乾かして保存します。

【適用】

ヘラオオバコのお茶は、きわだった味や香りはなく、干草のような香りです。

ヘラオオバコは優れた咳止めハーブとして知られています。また、熱を伴う肺や気管支の炎症にも消炎効果を発揮しますが、これは、最近発見された抗生物質に近い含有成分が作用するものと考えられます。普通、植物の絞り汁は、長く置くとカビが生えてきますが、ヘラオオバコにはカビが生えない、あるいは生えにくいといいます。これはヘラオオバコの抗菌作用によるものです。夏、戸外で虫に刺されたり、けがをした時には、近くに生えているヘラオオバコをきれいに水洗いした後、手で揉んで患部に当てると、応急処置ができます。

【ヘラオオバコ茶の作り方】

ヘラオオバコのハーブ茶さじ1~2に熱湯250ccを注ぎ、15分おいた後、こして飲用します。はちみつで甘味をつけると飲みやすく、効果も高まります。1日2~3カップ、朝の1杯はできれば起床前に飲むと効果的です。

【ヘラオオバコ咳止めシロップの作り方】

フレッシュなヘラオオバコ(ハーブでも良い)に水を少しくわえてすり鉢でつぶします。それを加熱沸騰させ、はちみつを好みの量くわえます。このシロップを1時間ごとに茶さじ1杯飲用します。風邪の咳を始め、百日咳や喘息、声がかれたときなどにも効き目があります。

【有効成分】

フラボノイド、タンニン、粘液体、珪酸、グリコシドオクビン、その他

(エリカ)