消化を助ける古来の発酵食 自家製ザワークラウトの作り方

膨満感、ガス、胃の痛み――多くの人が、人生のどこかの時点でこうした消化の不調を経験します。これらの問題は通常一時的なものですが、長引くこともあり、その場合は腸の健康や、日常的に食べている食品が消化をどのように支えているのかに、より注意を向けるきっかけとなります。

長い年月を経てもなお支持され続けている食品の一つがザワークラウトです。キャベツを発酵させて作るザワークラウトは、自然に存在するプロバイオティクス(腸内で善玉菌として働く微生物)とプレバイオティクス(善玉菌のエサとなる成分)を含み、健康的な消化器系を支えるための、シンプルで手頃な方法として知られています。なぜザワークラウトが役立つとされているのか、そして自宅でどのように作れるのかを理解することは、食事を通じて腸の健康に向き合うための、実践的な第一歩となります。
 

なぜ腸の健康が重要なのか

消化管には、細菌、ウイルス、真菌(カビ類)など、何兆もの微生物が存在しています。これらが集まって腸内マイクロバイオーム(腸内に存在する微生物の生態系)を形成し、消化、栄養吸収、免疫機能、そして全体的な健康状態において重要な役割を果たしています。この微生物のバランスが崩れると、消化症状が現れるだけでなく、腸を超えた広範な影響が生じる可能性があります。

近年の研究では、腸の健康が「腸脳軸(腸と脳を結ぶ情報伝達ネットワーク)」を通じて神経系と深く結びついていることが、次第に明らかになってきています。これはホルモン、神経、免疫シグナルが関与する仕組みで、腸内細菌のバランスの乱れが、疲労感、頭がぼんやりする感覚、気分の変化と関連している可能性が示されています。

免疫系もまた、腸と密接に関係しています。慢性的な炎症は、多くの場合免疫反応と結びついており、筋肉や関節、その他の組織に影響を及ぼすことがあります。特定の腸内細菌が炎症反応に関与する可能性を示す研究もあり、マイクロバイオームが体に与える影響の大きさをうかがわせます。

さらに、消化のバランスが崩れると栄養の吸収が妨げられ、体力低下、意図しない体重減少、慢性的な消化不良につながることもあります。栄養価が高く、腸内環境に配慮した食品で腸をサポートすることは、こうした悪循環を見直す一つの方法です。
 

なぜキャベツは発酵食品に最適なのか

キャベツはもともと食物繊維が豊富で、発酵することで優れたプレバイオティクス源となります。また、ビタミンC、ビタミンKプロビタミンA(体内でビタミンAに変換される成分)など、免疫機能や炎症のコントロールに関わるさまざまなビタミンやミネラルを含み、全身の健康を支える栄養素を備えています。

赤キャベツなどの一部の品種は、柑橘類に匹敵するほどビタミンCが豊富で、さらに多くのビタミンKやビタミンAも含んでいます。これらはいずれも、免疫機能の維持や炎症に関わる働きを持つとされています。

さらにキャベツには、鉄、マグネシウム、カリウム、カルシウム、セレンといったミネラルも含まれています。これらの栄養素は体内で互いに関係しながら働きます。たとえば、ビタミンCは鉄と一緒に摂取することで、鉄の吸収を助けるとされています。このような相乗的な働きによって、エネルギーレベル、免疫の健康、消化機能の維持が支えられ、炎症の軽減や腸内環境の改善につながる可能性があります。

キャベツは入手しやすく、価格も手頃で、発酵も比較的簡単なため、何世紀にもわたり、食品を保存しつつ栄養価を高める実用的な方法として利用されてきました。
 

キャベツを発酵させてザワークラウトを作る方法

基本的な道具と材料が少しあれば、自宅でザワークラウトを作り、日々の食事に取り入れることができます。

材料(道具)

  • まな板(金属製以外)
  • よく切れる包丁、またはフードプロセッサー
  • ガラス瓶(できれば金属を使わない発酵用のフタ付き)
  • 発酵は酸性環境を生み、金属と反応する可能性があるため、金属製でない道具やフタの使用が推奨されます。

材料

  • キャベツ 1玉
  • ローリエ  3枚
  • ジュニパーベリー 6粒
  • クミンシード(ホール) 小さじ1
  • マスタードシード(ホール) 小さじ1
  • フェンネルシード(ホール) 小さじ1
  • 塩 小さじ2.5〜3

作り方

1.キャベツの外側の葉を取り外し、後で使うために取っておきます。

2.キャベツを4等分し、芯を取り除きます。

3.キャベツを非常に細くスライスするか、フードプロセッサーを使います。

(lp-studio/Shutterstock)
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  • ボウルにキャベツを入れ、ローリエ以外のスパイスを加え、塩を振りかけます。液体が出てくるまで、しっかりと揉み込みます。キャベツが浸るのに十分な量の塩水(ブライン液)が出るまで、揉み続けてください。
     
  • キャベツとブライン液を瓶にきつく詰め、キャベツが完全に液体の下に沈むようにします。必要であれば、塩水(2%濃度。水1カップに対して塩小さじ1を溶かしたもの)を少量追加します。
     
  • 上にローリエと、取っておいたキャベツの葉を置き、固形物が液体の下に保たれるようにします。発酵用のフタで瓶を密閉し、室温で保管します。
     
  • 発酵は嫌気性(酸素を必要としない)のプロセスです。これは重要な点で、酸素があるとカビの発生を促す可能性があるからです。キャベツが発酵するにつれて、有益な細菌がpHを下げ、有害な細菌や真菌が定着しにくい環境を作ります。好みの味にもよりますが、この過程は数週間から約3カ月かかります。その頃にはキャベツはザワークラウトへと変化します。完成の目安の一つは、目に見える泡立ちが弱まる、または止まることです。これは、活発な発酵がほぼ終了したことを示しています。
     

食生活にザワークラウトを取り入れよう

ザワークラウトの発酵が完了したら、生のまま食べることができます。これは、私の86歳の母がいつも好んでいる食べ方です。彼女は毎日、生のザワークラウトを 約120g 食べています。また、刻んでローストしたベーコンや角切りのニンジンと一緒に調理し、ソーセージの付け合わせとして提供すれば、伝統的なドイツ料理「ブラートヴルスト・ミット・ザワークラウト」となります。ぜひ楽しんでください。

ザワークラウトを食事に取り入れることは、日々の食品選択を通じて消化の健康に配慮する、風味豊かで満足感のある方法です。シンプルな発酵食品を取り入れることで、症状が出てから対処するのではなく、体を支え、日常的に整えることを意識した、より主体的な食習慣を築くことができます。

(翻訳編集 井田千景)

全米認定のホリスティックヘルスプラクティショナーであり、ハーバリスト、ムーブメント指導者として活動している。これまでにジャーナリスト、テレビのニュースキャスター、作家としての経歴も持ち、軍関係者との協働に対して米陸軍司令官からの表彰も受けている。健康に関する幅広い視点を持ち、執筆活動を行っている。