この世でもっとも大切なもの:善良

【大紀元日本8月1日】この世でもっとも大切なものは何か?ヴィクトル・ユーゴーによると、それは「善良」である。

中国の伝統文化はこれまで「善」を追求してきた。人や物事に接するとき、善を強調し、善の心を持つ美しさを賛美している。人との付き合いにおいても、善の心を持って人と接し、慈善事業や喜捨を喜んですることを勧める。自己に対しては、個人の道徳修養に専念し、常に善の心を持つことを求める。ある著名な人がかつて、「大衆にとって、唯一の権力は法律だが、個人にとって、唯一の権力は善良である」と語った。

私は以前、感動的な物語を二つ読んだことがある。その一つはこんな話である。暴風雨が過ぎ去った後、幾万もの魚がビーチに打ち上げられた。それを見た男の子が1匹ずつ拾っては海へ戻してやっていた。そこを通りかかった老人が男の子に、「一日かかっても大して拾えやしないよ」と言った。男の子は拾いながら言った。「大して拾えなくても、僕が海へ戻してやった魚だけでも助かるじゃない」。老人はその場で、言葉をなくした。

もう一つは、ブラジルのジャングルでの話だ。猟師が1匹の豹を銃で撃った。豹はお腹の傷口から腸を垂らしたまま這い出した。30分掛けて2匹の幼い豹のところまで辿り着くと、わが子に最後のミルクを飲ませてから、その場に倒れて死んだ。一部始終を見ていた猟師は、涙ながらに猟銃を叩き折った。

米の作家マーク・トウェインは、善良は世界共通のことばで、目の不自由な人に「見ることができる」ように、耳の聞こえない人に「聞こえる」ようにさせうるものであると語った。心に善を持つ人は、心が温かく、冷たさを取り除き、陰気を取り払うことができる。善意をもてば善行をなし、善良な人と接すれば知恵が啓発され、情操がさらに高尚になり、精神が純潔に、心がより広くなる。善良な人と付き合えば、警戒する必要はなく、気持ちが安らかとなる。

「看中国」より