歴史に別の選択あったか 12年前の中国を変えた大事件を振り返る

【大紀元日本4月25日】4月の中国。毒豚肉、毒牛肉、毒モヤシなど、各地で次々に露呈する食の安全問題に怒れる国民世論。反体制派の芸術家、艾未未(アイウェイウェイ)氏に対する当局の迫害に憤る世界世論。高騰するインフレについに耐えられずに起こった、中国一の経済都市・上海から各地に拡大した運送業界の労働者による大規模ストライキ。「信用やモラルが喪失した国は真の大国になるはずはない」と首相の温家宝は最近ついに、このように社会の深まる混乱に嘆く。そして天安門広場の東側に建てられた孔子の彫像は設置から100日目の今月21日に突然、広場から姿を消した。胡錦濤主席が今日まで孔子の和の思想を利用して唱えてきた「調和社会」の愚民政治の失敗の証なのか。

胡温政権では手の施しようのない失速が中国社会で進む中、前首相・朱鎔基氏は22日、母校の清華大学に姿を現し、当局に対する猛烈な批判を論じた。朱氏曰く、中国一の官製報道機関・中央テレビ(CCTV)の報道は「嘘ばかりだ」、中国自動車産業は世界を制覇する、とのCCTVの報道を「でたらめだ」、中国の教育制度は「カラ念仏だ」などと、痛烈に批判した。また、農村部の苦しい現実を描く、禁書扱いの調査報告書「中国農民調査」を、学生たちに推薦しながら、「この本は海外の多くの異見者に好評だ」と付け加えたという。

9年も公の場から姿を消していた朱氏の突然の登壇は、12年前の4月25日に中国で起きた、世界のメディアを驚かせたある事件のことを、人々の記憶から蘇えらせる。この事件の中で、朱氏は大きな役割を果たした。この事件をきっかけに、法輪功問題がこの12年間、そして将来の中国にとっても最も肝心な問題となり、「中国のすべての政治問題の核心である」と独立派ジャーナリスト・呉葆璋氏が指摘している。

▶ 続きを読む
関連記事
物議を醸している英ロンドンにある中共の「メガ大使館」計画が、3度目の延期となった。イギリス政府は12月2日、この計画の審査期限を来年1月20日まで延長すると発表し、国家安全保障上の懸念が一段と高まっていることを理由に挙げた
浜崎あゆみの上海での公演がキャンセルされた後の行動に称賛が集まっている。中共政府の常軌を逸した日本への外交攻撃に巻き込まれたが、今回のトラブルはかえってチャンスを広げる結果となるかもしれない。
米下院が社会主義体制の弊害を非難する中、中国共産党からの離脱「三退」は4億5500万人を突破。宗教弾圧や権力集中への国際的懸念が強まる一方、中国社会では静かな体制離れが広がっている
中国共産党が世界的な規模で拡張を続ける野心と、それに伴う国際安全保障上の脅威が懸念される中、多くの国々が戦略の見直しを加速させている
中国欧州連合商工会議所(EU商工会議所・中国)が1日に発表した調査で、中国共産党政権による輸出規制が欧州企業の調達戦略に影響を与え、中国依存からの分散を進める動きを促していることがわかった。影響はサプライチェーンや納期、収益にも及んでいるという