ー書くことの楽しみー

【大紀元日本7月28日】いつの間にか、キーボードを打って文章を書くようになりました。確かにこの原稿も、パソコン画面を見ながら、横に書いて(打って、かな)います。なんだか日本語になっていないような、歯がゆさを覚えます。

日本語の筆記がワープロ時代に入ったのは30年ほど前。それ以前には、小説も論文も、原稿用紙に向かってせっせと万年筆で書いたものです。

膨大な著作を遺した文豪たちも、多くは万年筆派でした。谷崎潤一郎の毛筆原稿は有名で、なかには鉛筆を常用した小説家もいますが、いずれにしても手書きの縦書きが主流、というより日本語の筆記はそれしかなかったのです。

「かく」は、掻くが語源です。そんな手書きは、無駄な時間のようにも見えますが、その間にこそ思考の深まりがあり、書くことの楽しみがあります。

一方、変換するととんでもない漢字を平気で出してくるパソコンは、はてさて、頭がいいのか悪いのか。

手書きの日本語の良さを、これからも大切にしたいですね。

(鳥飼)