クアッドに集まった日米豪印の首脳たち。本気とは 無関係です (Photo by AFP) (Photo by STR/AFP via Getty Images)

クアッド首脳会談、中国共産党の脅威に対抗へ

24日に開催された日米豪印「クアッド」の首脳会談では、中国共産党がもたらす脅威が議題に上がった。岸田首相は中国を念頭に、ロシアのウクライナ侵略と同じようなことをインド太平洋地域で起こしてはならないと強調した。首脳らは、「海上保安機関の船舶及び海上民兵の危険な使用」など、地域の緊張を高める行動に強く反対し、国際ルールに基づく秩序を支持する姿勢を鮮明にした。

会談には岸田文雄首相とバイデン大統領、モディ首相アルバニージー首相が参加した。首脳会談は4回目だが、対面式は2回目だ。

クアッド首脳会談後、米大使館へと向かう米大統領専用車(王文亮/大紀元)

共同声明で対中共の姿勢を表明

共同声明では、ウクライナで繰り広げられている惨劇への対応と、インド太平洋への影響を評価した。国際秩序の中心は国際法と国家の主権及び領土の一体性の尊重であると強調し、国際法に従って紛争処理しなければならないと主張した。

中国を念頭に、「係争のある地形の軍事化、海上保安機関の船舶及び海上民兵の危険な使用、並びに他国の海上資源開発活動を妨害する試みなど、現状を変更し、地域の緊張を高めようとするあらゆる威圧的、挑発的又は一方的な行動」に強く反対することを表明した。

朝鮮半島の完全な非核化や、日本人拉致問題の即時解決の必要性を再確認した。北朝鮮による度重なる弾道ミサイル実験を非難し、国連安保理決議の履行を求めた。

中共ウイルス(新型コロナ)感染症がもたらした「壊滅的な影響」に対処し、より良い健康安全保障の構築と保険システムの強化に向けた取組を主導していく。新型コロナワクチンの接種を加速し、世界保健機関(WHO)年次総会での合同イベントを通してワクチン忌避にも対処していく。

クアッド参加国が技術と経験を結集し、次の5年間でインド太平洋地域において500億米ドル以上のインフラ支援及び投資を行うことを目指す。パンデミックで悪化した債務問題にも対処していく。

サイバーの脅威が高度化するなか、サイバーセキュリティを強化し、情報共有を通じて各国の重要インフラ防護を強化する。

重要技術の面では、相互運用性と安全性を推進していく。世界的な半導体供給網(サプライチェーン)の脆弱性を認識し、重要技術に関して協力する。

地球観測衛星のデータ共有を進め、災害対策などに活用する。4か国で人道支援や災害救援のパートナーシップを立ち上げ、協力体制を強化する。

そのほか、気候問題への取り組みや、首脳や外相クラスの定例会合を定期開催することでも一致した。

「中国共産党の偽情報に騙されないで」

クアッド首脳会談の開催に合わせて、法輪功学習者は中国共産党の脅威と蛮行を訴えるため、国会議員会館前で活動を開催した。

法輪功学習者の藤島さん。国会議員会館前で撮影(王文亮/大紀元)

女性法輪功学習者の藤島さんは取材に対し、「民主主義国は声を発しなければならない」と述べた。中国共産党が長年発信してきた偽情報は各国に影響を与えており、国家の首脳も真実の情報を知るべきだと語った。

「中国共産党の法輪功学習者に対する迫害は信仰への弾圧であるのみならず、世界の法律を踏みにじるものだ」と法輪功学習者の金正姫さんは訴えた。「政治家には、人権問題にも注目してほしい。多くの人々は中国共産党の流す偽情報の犠牲となっており、騙されている」。

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