6日、自民党の高市早苗総裁は栃木県那須塩原市において、衆議院議員選挙の応援演説を行った。高市氏は、同選挙区(栃木3区)から出馬する自民党公認候補であるやな和生氏への支援を呼びかけるとともに、「日本列島を、強く豊かに」というスローガンのもと、地方創生、農林水産業の強化、そして「責任ある積極財政」への転換を強く訴えた。
「縮み志向」からの脱却と地方の潜在力
高市総裁は演説冒頭、少子化や人口減少を理由に投資を控える「縮み志向」からの脱却を提唱した。地方への投資をあきらめれば地域はさらに疲弊すると指摘し、全国どこに住んでいても安全な生活、医療、教育、雇用が確保される国づくりを目指すと宣言した。
具体的には、那須塩原市の生乳生産額が全国2位であることや、AIやセンサー技術を活用した「スマート畜産業」の進展を地域の「宝物」として挙げた。高市氏は、測位衛星「みちびき」の高精度データを活用したトラクターの自動走行など、最新技術が農業現場に導入されている現状を評価し、IT技術と第一次産業の融合による成長の可能性を強調した。
農政の専門家・やな和生氏への信頼
今回の選挙戦において、高市氏はやな和生候補を「農政の知恵袋」と評し、全幅の信頼を寄せていることを明かした。やな氏は自民党の酪農畜産対策の委員長を務め、食育基本法の見直しや牛乳消費拡大キャンペーンに取り組んできた実績を持つ。高市氏は、自身が政調会長時代からやな氏に農政について助言を求めてきた経緯に触れ、同氏を閣僚級の知識を持つ人材であると称賛した。
また、同選挙区内で保守分裂の動きがあることに触れつつも、高市総裁としてやな氏を唯一の公認候補として決定したことを明言し、有権者に結束を求めた。

「責任ある積極財政」への転換
政策面における最大の焦点として、高市氏は自民党公約に初めて盛り込まれた「責任ある積極財政」を掲げた。これは、官民が連携して技術開発やインフラへの投資を行い、経済成長を通じて税収増を図るという方針である。
これまでの予算編成について、当初予算を小さく見せかけ、必要な経費を補正予算で賄う手法が常態化していたと批判し、これを是正する考えを示した。具体的には、農業構造転換のための予算など、恒常的に必要な予算は当初予算に計上し、事業者や農家が安心して長期的な投資を行える環境を整備すると述べた。
また、来年度予算において28年ぶりにプライマリーバランス(基礎的財政収支)が黒字化したことに言及し、財政の持続可能性を維持しつつ、経済のパイを拡大させることで、増税に頼らずとも税収が増える好循環を目指すとした。
食料安全保障と外交
高市内閣の重要課題である「食料安全保障」については、国内の供給力を強化すると同時に、外交を通じて日本産品の海外需要を開拓する方針を示した。食料自給率の向上と危機管理投資は国が責任を持って進めるべき分野であるとし、食料、エネルギー、医療、防災、サイバーセキュリティを含む総合的な国力の強化を訴えた。
演説の最後、高市氏は週末の天候悪化が予想されることから、期日前投票の積極的な利用を呼びかけ、「挑戦しない国に未来はない」として、世界から尊敬される国づくりへの協力を求めた。
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