チンギス・カンーーモンゴル草原の凱歌(七)忠義の士【千古英雄伝】
テムジンはタタル部族を征服した後、将官たちを連れて陣営を巡回していました。この時、どこからともなく子どもが走ってきて、「エージ(モンゴル語で母という意味)に会いたい」とテムジンの足に抱き着きました。テムジンは、「よし、エージに会わせてやろう」と言ってこの取り残された孤児を抱き上げ、母ホエルンのもとへと向かいます。
この子を見るなり、ホエルンは、「良い家柄の子かもしれない」と言って、その場で養子にし、シギ・クトクと名づけました。
時間は流れ、ある年の冬、豪雪が山を閉ざしたため、寒さを避けるべく、テムジンは領民を連れて他の場所へと移動しました。道中、鹿の群れを見かけたので、当時、まだ15歳だったクトクはテムジンのゲルを管理する者に一言いうなり、鹿を追いかけていきました。
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