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ノーベル賞受賞者に見えていた別の世界【未解決ミステリー】

1994年5月23日、スウェーデンのストックホルムで行われたノーベル賞授賞式で、ある男性が注目を集めました。彼こそ、偉大な数学者ジョン・フォーブス・ナッシュ・ジュニアであり、天才と狂気の間で引き裂かれた人生を送った伝説的な人物です。

ナッシュは約30年もの間、精神異常者であったといわれています。しかし、その後正常に戻り、自伝を出版しました。ナッシュによると、自分は精神異常者ではなく、かつて現実の世界ともうひとつの世界を2つ同時に体験してきたと言います。では、彼は一体どのような驚くべき人生を送ったのでしょうか。

人生の頂点

ナッシュの才能は中学の頃から徐々に表れ始め、1948年には、世界の最難関大学のひとつともいわれるプリンストン大学に招待され、そこで博士課程を受けました。翌年、「ナッシュ均衡」(ゲーム理論の概念)の論文を発表し、たちまちセンセーションを巻き起こしました。また、この理論によってナッシュは博士号を取得しただけでなく、ゲーム理論の巨匠としての地位をも築き上げたのです。

「ナッシュ均衡」は、ゲーム理論の数学的基礎を築いただけでなく、その後、ビジネス界でも広く活用されています。その後の数年間の研究で、ナッシュは代数多様体論、リーマン多様体、放物線と楕円の方程式などでもいくつか画期的な成果を上げ、1958年には数学者の最高賞であるフィールズ賞の受賞まであと一歩のところまでいきました。

学問的な業績だけでなく、ナッシュの結婚生活も当時羨ましいものでした。そのすべてが他人から見れば素晴らしく、ナッシュはまさに人生の絶頂期にいました。

しかし事態は思い通りには進まず、1958年はナッシュの人生の転機となったのです。

ファインホールのファントム(幽霊)

1958年の冬、ナッシュの行動は急におかしくなり、新聞から宇宙人が送ってきた秘密情報を解読できると思うようになったり、世の中のすべてが数式で表現できると考えるようになったのです。

間もなくしてナッシュに奇妙な言動が目立つようになり、周囲の人々に精神的におかしいと思われ、その後、2度も精神病院に入れられました。

以来、ナッシュは、薬を飲むと頭が鈍くなり、数学的な思考ができなくなるので、すべての薬を拒否しました。彼にとって数学は唯一の関心事です。

ナッシュが入院していた時、彼の友人が訪ねてきて、「君は宇宙人が話しかけてきたと主張しているが、君のような理性的な数学者が、どうして宇宙人のようなナンセンスを信じるのか」と尋ねたことがあります。

これに対してナッシュは、「数学における独創的な見解は、自然と溢れ出してくるのだ。私は数学を信じているように宇宙人の存在を信じている」と答えたのです。

ナッシュはその後プリンストン大学近郊に戻り、病気の治療のため入退院を繰り返しながらも数学の研究を再開しました。

1970年代と80年代に、プリンストンの学生たちはよく赤いスニーカーを履いた痩せこけた中年男性が、キャンパス内を徘徊し、たまに黒板に難解な数学の命題を書き残しているところを見かけていました。人々はこの人物を「ファインホールのファントム(幽霊)」と呼んでいましたが、彼こそナッシュだったのです。

新生

しかし、1980年代末、奇跡が起こりました。ナッシュは徐々に回復し始めたのです。

ナッシュは、「自分は決して狂ったわけではなく、2つの世界を同時に体験しているのだ」と主張しました。ある日、彼はこの現実の世界で生きることを決めた後、自分の強い意志の力と論理力を頼りに理性を取り戻したのです。

ナッシュがノーベル経済学賞を受賞したのは1994年です。しかし、当時、すでに正常に戻ったと思われていたナッシュは、実はまだもう1つの世界を見ていたというのです。

2001年にナッシュの人生を描いた映画『ビューティフル・マインド』が公開され、大ヒットしました。同年、離婚しながらも面倒を見てくれていた元妻のアリシアとも復縁しました。

2015年にはノルウェー科学文学審議会からアーベル賞を受賞し、ナッシュは史上唯一、ノーベル賞とアーベル賞の両方を受賞した学者となりました。

詳しくはEPOCH TVをご覧ください。

https://www.epochtimes.jp/2022/09/117365.html

 

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