サン・ピエトロ寺院内の肖像(パブリックドメイン)

信仰と道徳によって輝いた芸術(下)

縦逸(じゅういつ:気ままで締まりのないこと)の結果

2000年前の聖地エルサレムの事例を見てみましょう。新バビロニア帝国はかつて非常に繁栄しました。ネブカドネザル2世が帝国の王になった時、新バビロニアはユダヤ国を併合し、その首都を略奪しました。

そして、近隣のモアブ、アモンとエドムなど小さい国を次々と併合していったのです。ネブカドネザル2世は数え切れないほどの金銀財宝と何万人もの捕虜を連れて戻った後、豪華な生活を送りました。彼は宮殿の全ての品物を宝石で装飾し、従わないユダヤ人を燃え盛る炉に投げ入れ、自分を神のような存在だとさえ思っていたのです。

ある日、神は彼に夢を送り、このような放恣(ほうし)な生活を終わらせなければならないと警告しました。彼が変わらなければ、必ず神の罰が下るでしょう。しかし、ネブカドネザル2世は気にせず、贅沢な生活を送り続けました。そしてある日、王宮の平らな屋根の上で散歩していたネブカドネザル2世は、誇らしげに自分の王国を見下ろしている時、突然狂気に陥り、野獣のように王宮から逃げ出し、7年間森で生活しました。

その後、ネブカドネザル2世は正常に戻りましたが、その教訓は彼の子孫に受け継がれませんでした。息子ベルシャザルが継承した後も、変わらず贅沢な生活を送り続けたため、神は壁にこのような意味の一文を書きました。「お前の王国は滅ぼされ、メディア人とペルシャ人によって分割される」その夜、ベルシャザル王は殺され、ダリウス・ザ・メデは新バビロニアを征服したのでした。

「ベルシャザルの饗宴」(レンブラント・ファン・レイン作、1635年ー1638年)(パブリックドメイン)

17世紀、オランダのバロック絵画を代表する画家であるレンブラント・ファン・レインは、多くの聖書物語や歴史物語を描いたことで知られています。中にはこのような作品があります。ベルシャザルの侍女は神殿から奪い取った金銀の什器を使って、お酒を注ぎますが、突然、謎の手が現れ、壁に文字を書き残しました。

絵画の寓意は、放恣的な生活は一瞬のみであり、その後、神による最終の審判こそ、人生の本当の結末であるというものです。そして、審判するのはその人が生きている間の言動であり、謙虚で自制心があり、善良である人は祝福を受け、一方、傲慢で節度がなく、横暴な人は悪の報いを受けるでしょう。

西洋のキリスト教であれ、カトリックであれ、東洋の仏教であれ、道教であれ、人間に一定の道徳規範に従うよう教えています。

近代的な技術と文明が社会を支配する前は、ほとんどの人は神と天国を信じ、神の教えを守り、善悪の判断基準を持っていました。このような社会の中で、ほとんどの芸術作品は人間の善良な本性を目覚めさせることを目的としており、暗くて醜いことを描く絵画はめったにありませんでした。そして、美しい芸術作品は、人間性と神性の輝きを彫り出し、美学と道徳的価値観に有益な影響を与えることができます。

ときに、神韻芸術団が創作した芸術作品は、人々の善意を目覚めさせることを目的としており、「純真、純善、純美」を信条とし、暗くてネガティブな内容は一切ありません。神韻芸術団のアーティストたちは敬虔な信仰を持ち、毎日心を修めています。日々心掛けているからこそ、現代の芸術と一味違ったショーを提供することができるのです。

実際、芸術が誕生して以来、信仰と切り離すことはできません。宗教が誕生する以前から、人々の神への信仰はすでに生命の奥深くに根付いていました。人間は信仰を持っているからこそ神を畏敬し、神の教えに従い、そして、神から智慧と栄誉を授かることができます。

高い道徳性と自制心を持っている芸術家が生み出した作品は、純粋で希望に満ち、あるいは教訓として時代の潮流に影響されることなく、人々を感動させることができるのです。

(完)

――神韻芸術団ウェブサイトより転載

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