肥満には5つのタイプがあります!漢方医の提案する対処法(1)

肥満は見た目だけでなく、健康上のリスクとして多くの人に影響を与える問題です。脂肪が蓄積されること以外に、肥満の原因は何でしょうか?効果的な肥満の解決方法は、みな同じなのでしょうか?台湾の漢方医である余雅雯氏は、5つのタイプごとに異なる減量方法を提案し、簡単に肥満を解消できる減量法を2つ紹介しています。

肥満は、身体の多くの生体システムに損傷を与えます。代謝関連疾患、心血管疾患、呼吸器疾患または特定の癌のリスクを著しく高め、死亡率も高める可能性があります。漢方薬は腸内フローラを整え、ホルモンレベルを改善し、脂肪代謝を調節するなど、さまざまな方法で肥満治療ができることを多くの研究で明らかにしています。

西洋医学では、肥満はさまざまな要因によってエネルギーの摂取量と消費量のバランスが崩れ、脂肪が蓄積された結果であると考えられています。

台湾の上西漢方医院の余雅雯氏は、本記事のインタビューで、漢方では「太った人は痰が多い」と考えており、漢方における痰の定義は、喉にたまる痰ではなく、高血糖、高血中脂質、高トリグリセリドなどの病理的産物をすべて指していると述べています。内臓のバランスが崩れることにより、これらの老廃物が排泄されずに体内に蓄積され続け、細胞の変性を引き起こし、腫瘍ができたり、皮下脂肪や内臓脂肪がついたりします。

したがって、肥満の治療における漢方の考え方は、身体を整えることによって五臓六腑を正常に機能させ、脂肪を含む老廃物をスムーズに体外に排泄させることです。漢方医学では、人体の内臓や器官の総称として「五臓六腑」と呼びます。五臓は心臓、肝臓、脾臓、肺臓、腎臓、六腑は胆のう、胃、大腸、小腸、三焦、膀胱のことです。

漢方医は、体質の違いから、肥満を5つのタイプに分類し、それぞれの解決策を提示しています。 漢方医学では、人にはさまざまな生理的特性があり、それは成長・発達の過程で形成され、先天的な遺伝や、自然・社会環境の影響を受けると考えています。

余雅雯氏は、食事内容、生活習慣、環境などの後天的な影響が肥満の鍵を握っていると強調しました。

漢方医学の観点から、5つのタイプの肥満について、それぞれの解決策を分析しました。また、タイプは1つだけに限らず、いくつかのタイプが混在していることもあります。しかし、1つのタイプが特に顕著な場合は、そのタイプに絞って改善した方が良い場合があると付け加えています。

その1.脾虚湿阻型(単純性肥満)

脾臓が健康であれば、体内の水分の代謝が正常に行われますが、脾臓が損傷すると代謝が悪くなり、体内に水分が滞留します。現代医学では脾臓は免疫臓器と考えていますが、漢方医学では脾臓は解剖学的な臓器であるだけでなく、免疫機能に加えて消化器系を担う機能的な臓器であると考えています。

●病理学的特徴

筋肉のたるみ、やわらかい脂肪、浮腫(目の下、両手足)が多い、汗疱、湿疹、皮膚アレルギー、女性のおりものが多い、生理中の不快感、顔色が悪い、疲れやすい、 不規則な食事習慣、冷たい食べ物を好む。

【解決方法】

1.病理学的産物の除去

白米に大麦、小豆、生姜、ハトムギを入れることで、体内の浮腫を取り除くと、脾臓に良い効果があります。

2.新陳代謝を高める

もっと筋肉を鍛える運動をし、代謝を助けて浮腫や脂肪を取り除くことができます。余雅雯氏によると、中国の古典医学書『黄帝内経』には「脾は体の筋肉の主である」とあり、脾の調子が悪いときは、筋肉を鍛えることが大切だといいます。

(つづく)