写真は、米ニューヨーク州ディアーパークの警察局。 (Epoch Times)

神韻の芸術学校がある「敷地内の道路にクギ撒き」地元の男を逮捕=米ニューヨーク州

神韻芸術団」を含む複数の芸術学校がある米ニューヨーク州ディアーパークの龍泉寺(Dragon Springs)の敷地内で、道路や職員の通勤路にクギ(釘)を撒くなどして、職員に繰り返し嫌がらせを行ったとして、先月25日にケーニス・ポラダ(Kenneth Porada 男性、62歳)が地元警察によって逮捕された。

車のタイヤに刺さったクギ

複数の職員は、ポラダ容疑者が車道に撒いたクギや木ネジによって、車のタイヤが破損するなどの被害を受けた。地元のディアーパーク警察署のリチャード・シュティンドール(Richard Sztyndor)署長は、エポックタイムズの取材に対し「ポラダ容疑者は、器物損壊罪などに問われるだろう」と述べた。

ポラダ容疑者が撒いたとされる、木ネジが刺さったタイヤ(被害者からの提供写真)

龍泉寺の敷地内および周辺住宅に設置された監視カメラは、ポラダ容疑者の車が停車し、さらにそこから去った後の車道に釘が撒かれている様子、および車の運転手が釘を投げる様子などを捉えている。関連証拠は全て警察に提供した。

ポラダ容疑者の車が停車して去った後、車道に釘が置かれている様子。

(龍泉寺から提供)

警察の報告書によると、今年3月以降、龍泉寺の職員や関係者はこのような嫌がらせ被害を「十数件」も受けている。そのうち、少なくとも3人の職員が所有する自動車のタイヤに釘が刺さり、パンクしたという。

長年、龍泉寺の職員はこのような嫌がらせに遭っている。車道には、釘のほか、ゴミや動物の死体が置かれることも複数回あったという。

なぜか「極端なほどの敵意」をもつ男

今回逮捕されたポラダ容疑者は、龍泉寺近くの町に住む狩猟愛好家であるという。しかし、ポラダ容疑者の評判は、この近所では非常に悪い。

ポラダ容疑者は、なぜか龍泉寺に対して極端なほどの敵意を抱いており、しばしば龍泉寺の職員および近隣住民に悪態をついたり、攻撃的なジェスチャーやわいせつな振る舞いをしてきたという。

ポラダ容疑者が龍泉寺職員に対して行ってきた行為について、龍泉寺の職員は「道徳的にも、また安全の面からも、決して子供に見せられないようなひどいものだった」と明かしている。

ポラダ容疑者は、こうした数々の嫌がらせのほか、近年、龍泉寺で働く職員に対して「監視」を行っているという。

職員だけでなく、職員の家族や職員宅に訪れる友人に対しても、何の目的かは不明だが何度もカメラを向けてきた。「そうして得た画像や動画を誰に提供するのかは、わからない」と同職員は話す。

ポラダ容疑者がどのような背景をもつかは、今後の警察の捜査を待つしかない。しかし「神韻芸術団」を含む複数の芸術学校が存在する米ニューヨーク州ディアーパークの龍泉寺(Dragon Springs)が、以前から中国共産党によって監視されてきたことは確かである。

ここで働く中国出身のスタッフは、中共に身元が知られて中国国内にいる家族や親族が当局の人質になるなど、危害が加えられることを懸念している。

中共による「監視と迫害

ポラダ容疑者とつながりのある地元の狩猟クラブが、2年ほど前から、同クラブの傘下にある不動産に、龍泉寺の複数の出入り口にレンズを向けた監視カメラを複数台取り付けていたことも判明している。

その場所は、ちょうど龍泉寺の入り口から道路を挟んだ向かい側にある。興味深いことに、その監視カメラのメーカーは、米国が「国家安全保障上の脅威」として指定し、米国の政府機関が同社の製品を購入することを禁止している「中国製HIKVISION(ハイクビジョン)」だ。

この不動産の所有者であるグレース・ウッダード(Grace Woodard)氏は、かつて環境を問題にして龍泉寺を提訴するなどして、長年龍泉寺に反対する活動を行っている人物である(結果は敗訴)。

しかし、昨年のある時、狩猟クラブ傘下の不動産に取り付けられていた監視カメラは全て撤去され、ポラダ容疑者も自身のSNS投稿を全て削除した。こうした動きが、どのような意味をもつのか、彼らの背景は何であるか、まだ分かっていない。

「神韻芸術団」は、伝統文化の復興を目的とする中国古典舞踊のアーティストグループである。

同芸術団は、今も続く中国共産党による法輪功迫害の真相を、舞台の演目という形で伝えている。2006年に設立されて以来、世界各地で絶賛され、大好評を博しているが、劇場に対して公演を中止させるよう圧力をかけるなど中国共産党による妨害も受けてきた。

また、神韻芸術団の団員が乗る巡演バスは、これまでに何回も、タイヤにクギを刺されるなどの被害を受けている。

そのほか、中国国内にいる家族や親族が、中共当局による嫌がらせや逮捕などの迫害を受けている神韻のアーティストも少なくない。

(英文大紀元記者Petr Svab報道)

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