エチオピアで発見!死海よりも塩分濃度が高い 世界最高濃度の塩水湖

アジアの「死海」は世界で最も有名な塩水湖のひとつで、塩分濃度が非常に高いため浮力があり、簡単に水面に浮かぶことができます。アフリカのエチオピアには死海よりも塩分濃度の高い池があり、それは地球上で最も塩分濃度が高いとされています。

ガエターレ池(Gaet’ale Pond)と呼ばれるこの塩水湖は、エチオピアのダナキル窪地にあり、この地区の池の中で最も大きいとされています。

ガエターレ池は主に温泉の湧出によって形成されており、目立った流入や流出はありません。ギネスブックによると、ガエターレ池の塩分濃度は43.3%で、世界で最もしょっぱい湖といえ、この地表上のあらゆる川、海、湖を遙かに超えています。

他と比較すると、アジアにある「死海」の塩分濃度は23.1%、海の平均塩分濃度は3.38%です。また、以前のギネス記録の南極のドンファン池(Don Juan Pond)の塩分濃度は40.2%です。

ガエターレ池の水は飽和塩分過多のため、油のようにヌルヌルしており、地元住民は「オイル・レイク(油の湖)」と呼んでいます。しかし、その水面から湧き出る有毒ガスから「殺人湖」と呼ぶ人もいます。また、湖岸で死んでいる鳥や昆虫の姿をみると、この湖に近づくことの危険性がうかがえるでしょう。

ガエターレ池からは有毒ガスが湧き出てきます。(Shutterstock)

ダナキル窪地は風光明媚な場所ですが、専門家はこのガエターレ池や近くの塩水池を訪れる人は注意が必要だと警告します。ここの有毒ガスのほとんどは火山活動から発生する二酸化炭素で、特にガスが溜まりやすい水辺では、その濃度は時として死に至ることもあります。

科学者たちはガエターレ池のほとりで死んだ鳥を調査しました。この鳥たちはガエターレ池の水を飲んでいたのかもしれません。しかし、おそらく真の原因は、二酸化炭素でしょう。ここの濃い塩水は、鳥たちの死体をまるで塩水漬けのように保存していました。

ガエターレ池の正確な歴史は定かではありませんが、2003年に撮影された衛星画像によると、今と同じように、三日月の形をしています。2005年に発生した地震により、温泉が再び湧き出し、塩水が注がれ続けています。

温泉の作用で、ガエターレ池の水温は50〜55度に達し、見た目は魅力的に思えます。しかし、この池の水のpH値は3.5〜4で、非常に強い酸性を示しています。その酸性度と高い温度により、知らない人が池に入った場合、肌への刺激ややけどの恐れがあります。