9月28日、台湾は初の自前潜水艦を公開した。写真は高雄市で行われた進水式で撮影(2023年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)

台湾、初の自前潜水艦公開 対中抑止力強化

[高雄台湾) 28日 ロイター] – 台湾は28日、初の自前潜水艦を公開した。中国に対する抑止力強化で重要な一歩となる。運用を開始するのは2025年になるという。

蔡英文総統は南部の高雄市で行われた進水式で「かつて台湾製潜水艦の開発は不可能と考えられていたが、台湾人が設計して建造した潜水艦がここにある」と述べ、台湾の海軍力強化で重要な役割を果たすと強調した。

潜水艦の建造には複数国の技術や専門知識が活用されており、外交的に孤立している台湾にとり画期的なこととなった。

建造計画の責任者は2027年までに少なくとも2隻の潜水艦を配備し、それ以降配備する潜水艦にはミサイルを搭載する計画だと説明した。

1隻目の建造費は493億6000万台湾ドル(15億3000万ドル)で、ロッキード・マーチン製の戦闘システムを利用し、米軍が使っているMK48魚雷を装備。10月から試験航行を始め、来年末までに海軍へ引き渡す計画。

中国国防省報道官は、定例会見で台湾の潜水艦について質問され「(台湾は)自らを過大評価しており、不可能なことを試みている」とし「人民解放軍が太平洋に入るのを防ぐという話は、全く馬鹿げている」と述べた。

Carlos Garcia Walid Berrazeg Sarah Wu

関連記事
[東京 23日 ロイター] – 米インド太平洋軍のアキリーノ司令官は23日、中国経済が「失敗」しつ […]
笹川平和財団は台湾有事を想定した机上演習を実施し、その報告書を3月末に公表した。報告書によると、もし米中が台湾をめぐり軍事衝突した場合、日米台すべてに甚大な被害が及ぶことが明らかになった。
台湾国防部は3日、中国軍機30機と海軍の艦船9隻が2日朝から3日朝にかけて、台湾周辺の空海域で確認されたと発表した。一部の軍用機は台湾海峡の中間線を越え、台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入した。
ロシアによるウクライナ戦争が続く一方、中国共産党による台湾有事のリスクが高まっている。世界最大の軍事力を備える米国は、力の配分という難題に直面する。専門家の2人は「米国はウクライナより台湾を優先すべき」を論題にした安全保障政策をめぐる議論を通じて、米国の課題をあぶり出した。
台湾国家安全局の蔡明彥・局長は11日、中国が平均して7─10日おきに台湾付近で「共同戦闘準備哨戒」を行っていると指摘、中国軍が台湾付近での演習を「常態化」しようとしていると述べた。