何らかの症状が現れた場合は、病院を定期的に受診し、肝臓の損傷やがん(癌)ができていないか、進行状況を医師に診てもらう必要があります。(CHAI2523 / PIXTA)

B型肝炎を防ぐ2つのポイント「検査とワクチン接種」(下)

(続き)

Q 5:どのような人がB型肝炎の検査を受けるべきですか?

B型肝炎の検査を積極的に受けるべき人を列挙すると、以下のようになります。

「妊娠中の人」「B型肝炎患者と一緒に生活している人」「多くのセックスパートナーがいる人」

「B型肝炎患者と性行為をした人」「男性同士で性交渉をもった人」「性感染症の既往がある人」

「エイズ(HIV)感染症またはC型肝炎の患者」「肝酵素の検査で、原因不明の異常所見のある人」

「人工透析を受けている人」「免疫系を抑制する薬(臓器移植後の拒絶反応を予防する薬など)を服用している人」など。

Q 6:急性B型肝炎と慢性B型肝炎の違いは何ですか?

急性B型肝炎:B型肝炎ウイルスに初めて感染した場合は、急性感染症と呼ばれます。通常、人の体はこの感染に抵抗できます。

慢性B型肝炎:B型肝炎が6か月を超えると、慢性B型肝炎と呼ばれます。慢性B型肝炎は治癒しませんが、ウイルスの進行を制御することで、肝臓のさらなる損傷を防ぐことができます。

Q 7:慢性B型肝炎と診断された人は、どうすればいいですか?

全ての慢性B型肝炎患者が治療を必要とするわけではありません。症状がなければ、定期的な検査だけしていればよいのです。ただし、何らかの症状が現れた場合は、病院を定期的に受診し、肝臓の損傷、がんはできていないか、進行状況などを医師に診てもらう必要があります。

さらに慢性B型肝炎の感染者は、日常的に以下のことに注意しましょう。

• 飲酒、肝臓を傷つける薬の服用、カビの生えたピーナッツやトウモロコシ、およびアフラトキシン( コウジカビの一部が産生するかび毒)を含む可能性のある食品の摂取は避けてください。

• B型肝炎ウイルスを他人にうつさないよう注意します。 他の人とカミソリや歯ブラシを共有しないでください。創傷がある場合は、傷口をテーピングします。血液や臓器、精液は提供できません。

• 周囲の家族に、B型肝炎の検査とワクチン注射を受けるように伝えてください。

Q 8:B型肝炎を予防する有効な方法は何ですか?

B型肝炎を予防する有効な方法はワクチン接種です。米国疾病予防管理センター(CDC)の推奨事項は以下の通りです。(訳者注:日本では厚労省の指針に従ってください)

• 全ての小児は出生時にB型肝炎ワクチンの1回目の接種を受け、6~18歳の間に3~4回の接種を完了する。

• 18歳未満にワクチン接種を受けていない場合は、ワクチン接種を受けるようにする。

• 19~59歳および60歳以上の成人のうち、感染のハイリスク者にはワクチンを接種する。

ワクチン接種は、B型肝炎を予防する効果的な方法です(ペイレスイメージズ1(モデル) / PIXTA)

Q 9:成人がB型肝炎の予防接種を受ける場合、その間隔は?

成人はB型肝炎ワクチンを1回接種した後、1か月後に2回目を接種し、5か月後に3回目を接種します。3回の接種を終えた人は通常、追加接種を受ける必要はありません。(訳者注:日本では厚労省の指針に従ってください)

B型肝炎に対するワクチンの予防効果は一生涯(少なくとも20年は)持続します。そのため「3回接種で一生を守る」と言われています。B型肝炎ワクチンは非常に安全で、副作用はほとんどありません。

Q 10:ワクチン接種以外に、B型肝炎ウイルスの感染を予防する方法はありますか?

B型肝炎ウイルスの感染リスクを抑えるため、以下の点に留意します。

•セックスパートナーの数を減らすとともに、コンドームを使用して安全な性行為を行う。

•注射針や注射薬、ピアスなどの穿刺器具、タトゥー用の器具を共用しない。

•血液、体液、または汚染された面に触れた後は、石鹸と水で十分に手洗いする。

(完) 

 

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