このごろ、中国各地で未払い賃金の支給を求めて抗議する事件が相次いでいる。画像は、横断幕を掲げて給料支払いを求める労働者たち。(SNSより)

中国各地に響き渡る抗議の声 「我われの血と汗の給料を払ってくれ!」

現在、中国の各地方の政府は、ほとんど例外なく深刻な財政難に陥っている。民間企業も同様で、凍りついたような不景気によって受注が得られず、経営状態は極めて悪い。

そのようななか、公務員であれ、病院の医療スタッフであれ、民間企業の従業員や出稼ぎ労働者であれ、いずれも「長期にわたる未払い賃金の支給」を求めて、抗議する事件が相次いでいる。

彼らが要求しているのは、もとより今後の賃上げではない。すでに働いた分の「正当な報酬」が数か月(場合によっては、それ以上)も支給されていないため、一刻も早く支給してほしいという必死の叫びなのだ。

太陽光発電などを手掛ける中国の大手企業グループ「光伏産業」のなかで、山西省の「二建集団光伏産業」で働いてきた労働者たちが今月25日、未払い賃金の支給を求めて、企業の門前に横断幕を広げて抗議をした。

その横断幕の文字は「我われの血と汗の給料を払ってくれ!(還我血汗銭!)」である。この文言「還我血汗銭」は、多くの同様の横断幕にも使用されている。

労働者にとって、これ以上の賃金未支給が続けば、家族を養うどころか、自身と家族の今日の食物さえ得られない。労働者たちの要求は、もはや生命の維持さえ困難となっている現状への悲鳴であり、また絶叫でもあった。

 

同じく25日、山東省でも、労働者たちが体にA4の紙を貼りつけ、未払い賃金の支給を求めて抗議を行った。

 

今月26日、広西省南寧市で「広西建工集団第二建築工程有限公司」で働く労働者たちが、未払い賃金の支給を求めて、横断幕を広げて抗議をした。

 

四川省遂寧市の中医学(漢方)専門病院でも、医師と看護師たちが、未払い賃金の支給を求めて抗議をした。

その抗議は、なんと病院の建物の窓枠にしがみついて「給料払わないと、ここから飛び降り自殺するぞ」という、あまりにも特異な方法であった。

 

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