2024年1月8日、江西省の銀行窓口で現金10万元(約200万円)を預けようとした女性顧客が、銀行員から「現金の出所」について説明を求められた。そのことが女性のSNS投稿でわかり、ネットで物議を醸している。イメージ画像、中国工商銀行(ICBC)。(Photo credit should read TEH ENG KOON/AFP/Getty Images)(VCG/VCG via Getty Images)

「現金の出所」を聞く銀行 「プライバシーの侵害では」と物議を醸す=中国 江西

今月8日、江西省の銀行窓口で現金10万元(約200万円)を預け入れをしようとした女性顧客に対し、銀行員が「現金の出所について、説明を求めた」ことが女性のSNS投稿でわかり、ネットで物議を醸している。

「現金の出所」について問われた女性は疑問を感じ、銀行員に「なぜそんなことを聞くのか。以前に現金を預け入れた時は、そんなことを聞く行員はいなかったのに」と反問した。

すると、その行員は「1万元(約20万円)以上の現金を預ける顧客には、お金の出所について聞かなければならない、というのが銀行の規定だから」と答えた。

「お金の出所について説明を求めるのは、プライバシーの侵害」と考えた女性は、「もし、私のお金の出所に疑問があるというのなら、別の銀行に預けるわよ」と譲らない姿勢を示した。

この件は、銀行の管理職(主要責任者)のとりなしもあって、最終的に窓口職員は女性の要求通り「お金の出所の説明なし」で預金の手続きを行った。しかし、当該の職員は「これは銀行の規定なのです。どうかご理解を」と再度強調していたという。

女性がこの件を投稿すると、ネットで熱い議論を巻き起こった。確かに「通常のお金の出し入れに、出所の説明なんて必要ない」と、銀行の過剰な干渉に対して不満を表すネットユーザーも多い。しかし一方で「そうした規定ならば、仕方ないのでは」という諦めの声もある。

寄せられたコメントのなかには、「私も毎回、お金の出所について聞かれているよ。その時は、適当な理由を告げればいい。どうせ向こうの職員だって、とりあえず聞くのが仕事なのだから」という声もあった。

公開されている情報によると、中共当局が2022年3月1日に実施することが予定されていた政策「金融機構客戶盡職調查和客戶身分資料及交易記錄保存管理辦法(邦訳:金融機関の顧客調査および顧客の身分資料、取引記録保存管理方法)」の第10条において、商業銀行などの金融機関は、現金の預け入れおよび引き出し業務の1回の取引額が5万元(約100万円)以上、または外貨で1万ドル(約143万円)以上の場合は「顧客の身分の確認」および「資金の出所、または使途を把握し登記する」必要がある、と定められている。

しかし2022年2月21日、技術的な理由により同政策の実施延期が発表されている。つまり現段階では、これに関連する業務は以前の規則のままである。以前の規則では、顧客の「資金の出所」および「使途の確認」に関する規定はなかった。

中国メディア「極目新聞」によると、現金の預け入れ時に、その出所について尋ねられるかどうかは「銀行によって対応が違うし、額度(対象となる金額)も異なる」という。

例えば、商業銀行準大手「招商銀行(CMB)」の職員によると、20万元(約400万円)以上の現金を預け入れる場合は現金の出所について尋ねるが、当面は関連証明を提出する必要はないという。

いっぽう、4大国有商業銀行の1つ「工商銀行(ICBC)」の職員は、「目下のところ、現金の出所について尋ねていない。お金を預け入れる場合は身分証と銀行カードと現金を持って来れば大丈夫」と答えている。

これに対し、同じく4大国有商業銀行の「農業銀行」では、「具体的に、どれくらいの金額になると出所などを確認する、という規定はなく、ただ単純に聞いているだけだ。現金の出所について合理的な説明ができていれば大丈夫、証明書の提出は必要ない。ただし、なかにはお金の出所を説明できない人もいるので、その場合は詳しく尋ねる」という。

中国では、ニセ札の被害などを防ぐため、各種の電子決済が発達している。そのため、個人の日常生活のなかでも、銀行口座をもつことは必須とも言える条件になっている。

その一方、河南省などの一部の地方銀行では「預金者の口座が凍結されて、まったく預金が引き出せない」という異常事態も生じている。

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