タピオカミルクティーのイメージ画像。(Uber Eatsより提供)

中国でトップ3のミルクティーブランド 今年に入って、店舗を大量閉鎖へ

かつて「ミルクティーの新星」と呼ばれた中国のミルクティーブランドがあった。「厝內小眷村」「伏見桃山」「奈雪的茶」の3社は、いずれもネットを通じて有名になったミルクティー(奶茶)のトップブランドだ。

ところが今年(2024年)に入ってから、このブランド3社に相継ぐ閉店の波が巻き起こっている。

「厝內小眷村(2016年設立)」は、最盛期には80以上の都市に500以上の店舗を出店していた。しかし、いま残っている店舗数はわずか55店のみとなっている。

「伏見桃山(2017年設立、後に『伏小桃』に改名)」の場合、昨年1年間だけで計181店舗を閉店。現在の店舗数は30店を切っている。

「奈雪的茶」は、2023年の上半期だけで470万元(約9784万円)に上る損失を計上している。同社は1月18日「我が社は、徐々に店を閉めていく」と公表した。

なぜ、かつて隆盛した「ミルクティーの新星」が相次ぎ消えたのか。飲食業の情報・サービスプラットフォーム「餐飲老板內参」の1月20日付は次のように分析した。

「これら3つのブランドは、その発展過程において、絶えず自社を変化させてきた。改名や店のスタイル変更などだ。これらの変化から、ブランド側の不安や焦りが見えていた」

「いっぽう、時代とともに低糖質でヘルシーな飲み物が主流になるなど、市場や消費者側のニーズは急速に変化するものだ。そのようななか、中途半端に、まるで混乱したような変化を起こすことにより、ブランド独自の魅力が失われ、市場からも消費者からも忘れ去られてしまった」

「そのうえ熾烈な価格競争が起きた。巷間では、一杯9.9元(約200円)の飲料が主流になっているなか、20元前後(約400円)するブランドミルクティーから客足が遠のいていくのも必然である」

中国は今、絶望的なほどの経済低迷期にある。人々の収入は増えないばかりか、給料の遅延や未支給さえ常態化している。その一方で、購入した不動産や車のローンだけは厳然と残っている。

経済の衰退による就職難もすさまじい。倒産や閉店が相次ぐなか、いつ自身が失職して無収入になるか知れない。そのような将来への不安から、民衆が低消費傾向となるのも必然的な結果と言える。

かつての経済成長期においては、中国人の生活の潤いであり、ささやかな富裕の象徴であった高級ブランドのコーヒーやミルクティーに、今はさほどお金をかけられない。

そうして客足が遠のいた時、ブランド価値を容易には下げられない高級店は、まっ先に存続が難しくなる。中国のブランドミルクティー3社が、軒並み閉店に追い込まれたのはそうした背景にもよる。

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