かつて「中国のシリコンバレー」と呼ばれた深センでは今、玩具製造企業の撤退が相次いでいる。イメージ画像、広東省深セン市にある玩具工場の職人が、欧米に輸出するぬいぐるみの縫製作業をしているところ。 2008年11月24日撮影。(WANG LEI/AFP via Getty Images)

深刻な経済低迷つづく中国 深センでまた1つ、老舗玩具工場が倒産=中国 広東

かつての米中貿易戦争や中共当局による防疫措置が中国経済にもたらした影響は、いっそう表面化している。最盛期には「中国のシリコンバレー」とも呼ばれた広東省深セン(深圳)では近年、玩具製造企業の撤退が相次いでいる。

今年1月13日、30年近く操業してきた香港資本の老舗玩具工場「達琦華声電子(深圳)有限公司」は、その前日である1月12日から生産停止したことを発表。事実上倒産した。

同工場は、かつてディズニーグッズをはじめとする、世界的に有名な海外の玩具会社からの委託も受けてきた老舗工場だ。

また同工場をもつ「達琦華声電子有限公司」は、生産停止を告げる声明のなかで「近年の感染症拡大や経済悪化で、深刻な経営難にあった」と明かしている。

公式サイトによると、同企業は研究開発、生産、販売を一体化した世界的に有名なハイエンド電子玩具メーカーで、2千人以上の従業員を擁している。

現在、中国の多くの玩具製造企業は相次いで中国から撤退している。その一部は、以下の通りである。

2019年3月、米玩具メーカー第2位のハズブロ(Hasbro)の主要なOEM工場である「鴻昌玩具(深圳)有限公司」は深センから撤退した。

2020年1月、香港資本の「寶法德玩具(深圳)有限公司」は工場閉鎖を発表した。

2020年3月、香港の世界最大の玩具メーカー「旭日国際」は深センから撤退した。

これら中国から撤退した海外資本の玩具製造企業は、主として東南アジア、南アジア、メキシコなどの経営コストの安い地域にシフトしている。

関連記事
2024年5月7日午前11時過ぎ、中国が打ち上げロケットの残骸が同国貴州省銅仁市甘龍鎮(町)の村に落下したことがわかった。
中国の飲食業界は閉店の波に見舞われ、昨年だけで100万店舗以上が営業を停止した。その一方で、飲食店から出る中古機器を買い取る「飲食業のリサイクラー」と呼ばれる業者が好調で、注目を集めている。
米議会の超党派議員は3日、ブリンケン国務長官宛てに書簡を送り、中国共産党による臓器狩りの阻止に向けた取り組みの […]
米宇宙軍の情報部長は、中国(共産党)は宇宙分野で戦略的な飛躍を達成し、アメリカ軍を狙うことができる広範な衛星ネットワークを配備していると指摘した。
米国の大手法律事務所は相次いで中国オフィスを閉鎖している。