世界的流行のはしか、ワクチンは本当に最善策か

はしかから命を守る驚きの療法があった?(下)

国際機関も公認の効果

前回の記事の最後に引用した科学研究は、ビタミンA治療がはしか麻疹)の発生率、罹患率、死亡率の減少に貢献し、「ワクチン」の理想的な目標を達成すると結論付けています。

麻疹とビタミンAは相互作用するため、全体像は複雑です。つまり、麻疹感染がビタミンA欠乏症のリスクを高めるのです。

したがって、発展途上国では、WHOとユニセフは、麻疹に罹患した子供たちに、ビタミンAが欠乏しているかどうかに関係なくビタミンAを投与することを推奨しています。

WHOが推奨し、上記の研究で投与されたビタミンA の推奨用量は通常、発疹の発症から5日以内に連続2日間で合計400.000IU(アイユー)以下でした。

WHOのウェブサイトでも、麻疹の治療におけるビタミンAの効果は完全に認められているほか、以下のようにあります。

「ビタミンA欠乏症が公衆衛生上の問題となっている状況下では、小児の罹患率と死亡率を減らすための公衆衛生上の介入として、生後6~59か月の乳児および小児にビタミンAを補給することが推奨される(強く推奨)」

さらにWHOは次のように述べています。

「小児疾患の総合管理の一環としてWHOが推奨するビタミンA補給による麻疹患者の治療には、十分に確立された科学的根拠があります」

2016年にユニセフが発行した公式報告も同様の見解を共有しています。ウェブサイトには次のように書かれています。

「ビタミンAサプリメントには子供の命を救う力があります。(中略)ビタミンAの補給は、強力な免疫システムの維持に役立ちます。子供の下痢や麻疹の発生率を減らし、失明や難聴を防ぎます。最も重要なのは、ビタミンAサプリメントが子供の生存確率を12~24%向上させることができることです」

実際、WHOとユニセフは、ビタミンA使用の適応を、優先国でビタミンA欠乏症の存在が知られている子供たちだけでなく、「全ての麻疹の重症例」にまで拡大したようです。

防御システムの最前線で活躍

麻疹ウイルスは、私たちの生来の防御システムの最前線である上皮層を破壊します。それがこのウイルスの最も狡猾な部分ですが、ビタミンAは上皮層を修復してくれます。

上皮組織は肺、腸、目、腎臓、膀胱など、体中のさまざまな臓器や血管に見られる平らな細胞の薄い保護層です。粘膜細胞はこの上皮表面で、侵入してきた病原体と戦います。私たちの自然免疫はそこから始まります。

ビタミンAは、正常な上皮組織を維持する上で重要な役割を果たします。粘膜細胞層の完全性、粘膜の保護被覆、そしてウイルスから私たちを守る能力にとって、これは非常に重要です。

1925年、米国の病理学者バート・ウォルバックは、脂溶性ビタミンAの欠乏により粘液産生上皮細胞がケラチン生成細胞に置き換わることを示しました。体の表面の上皮細胞にケラチンが沈着すると、上皮細胞の不浸透性が高まって乾燥し、機能の喪失や病気につながる可能性があります。

さらに、ビタミンAの欠乏はウイルスと戦う免疫細胞の機能も低下させ、免疫力に悪影響を及ぼします。ビタミンA欠乏症が回復の遅れや麻疹感染後の合併症の高い発生率につながるのはこのためです。

麻疹ウイルスも免疫細胞にダメージを与え、一過性の免疫抑制を引き起こします。全体として、麻疹とビタミンA欠乏症の相互作用により、感染症への感受性がさらに高まるのです。

ビタミンAの限界

ビタミンAの適切なレベルを維持することは不可欠ですが、長期にわたる過剰摂取や一度の多量摂取は害を及ぼす可能性があります。

たとえ単回摂取でも、200.000マイクログラム (mcg) を超える多量投与によって、以下のような副作用につながる可能性があります。

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • めまい
  • かすみ目

ビタミンA変換計算ツールで、IU量に0.3を乗じてmcgに変換できます。この換算方法に基づくと、200.000IUは60.000mcgに相当します。

ビタミンAの麻疹に対する効果が認識されているとはいえ、全ての人に奇跡をもたらすわけではありません。必須の栄養素が依然として重要です。

1994年のインドの研究では、対照群と比較してビタミンA補給群の死亡率が大幅に低下したことが報告されていますが(32%対16%)、重度の栄養失調や脳症を患っている小児では、ビタミンAの推奨用量は役に立ちませんでした。

ビタミンAを自然かつ安全に摂取する方法は、食品やサプリメントからβ-カロテンを摂ることです。私たちの体はこの化合物を必要な分のビタミンAに変換します。毒性の心配は不要です。

14歳以上の人が欠乏症を予防するために、男性では1日あたり900mcgのビタミンAが、女性では700mcgが推奨されます。妊娠中の女性は750〜770mcg、授乳中の女性は1200〜1300mcgが推奨され、年少の子供は年齢と性別に応じて300〜600mcgが推奨されます。

自然からの贈り物

麻疹予防において、ワクチンは英雄的な扱いを受けてきました。しかし、歴史を振り返ってエビデンスにあたると、異なる事実が見えてきます。麻疹の感染、死亡率、罹患率を制御するには、自然免疫の強化がより効果的な戦略です。

保健当局は依然ワクチン接種を重視しています。しかし、ホリスティック(全体論的)かつ機知に富んだ方法で私たちの自然防御機能を強化する力について認識することが重要です。私たちは、コロナ禍における経験からこの教訓を得ました。当時、初期治療や自然療法は無視され、嘲笑されることさえありました。

ワクチンは奇跡的な治療法ではありません。自然免疫を高めるホリスティックかつバランスの取れたアプローチが、病気の管理と予防にとって非常に重要です。

麻疹の予防と治療におけるビタミンAの利点に関して、説得力のあるエビデンスがあります。これらの知見を公衆衛生政策に取り入れることが、特に流行期間においては必須となります。

エポックタイムズのシニアメディカルコラムニスト。中国の北京大学で感染症を専攻し、医学博士と感染症学の博士号を取得。2010年から2017年まで、スイスの製薬大手ノバルティスファーマで上級医科学専門家および医薬品安全性監視のトップを務めた。その間4度の企業賞を受賞している。ウイルス学、免疫学、腫瘍学、神経学、眼科学での前臨床研究の経験を持ち、感染症や内科での臨床経験を持つ。