このほど、湖南省にある飲食店向けの食器洗浄・消毒サービスを提供する会社の「闇」が中国メディアによる潜入取材で暴かれ、消毒食器がもたらす健康被害に懸念の声が広がっている。画像は中国メディアによる潜入取材で撮影された問題の工場の様子。(中国のネットより)

洗浄水の交換は1日1回 潜入取材で暴かれた「食器洗浄工場」の闇 =中国

このほど、湖南省の省都・長沙市にある飲食店向けの食器洗浄・消毒サービスを提供する会社の「闇」が中国メディアの潜入取材で暴かれ、消毒食器がもたらす健康被害に懸念の声が広がっている。

中国では、飲食店が提供するお椀や皿、箸などの食器を食事客自らお湯ですすぐことが「常識」である。そうする理由は当然ながら、「きれいに洗えているか、信用できないから」である。

なかには、ビニールシートで包まれた「洗浄・消毒済みの食器セット」を出す飲食店があり、包装には「消毒食器」「洗浄済み食器、二度洗い不要(精洗餐具无需再次清洗)などの文字が印刷されている。「消毒済」「二度洗い不要」などの文字をみて、安心してそのまま使用する人は少なくない。

飲食店で出される「消毒済食器セット」(中国のネットより)

そんななか、この「消毒済食器」を提供する企業(洗浄・消毒工場)の驚くべき「内幕」が暴かれ、飲食店や消費者の間で衝撃が走り、不安が広がっている。

「長沙のレストランで食事をした際、『消毒済み』の食器をお湯で洗っていたら黒い浮遊物泡が出てきた」「こんな消毒食器は、我々消費者の健康を守っているのか、それとも傷つけているのか」とある市民は中国メディア「潇湘晨報」に対して、怒りを露わにしていた。

「長沙のレストランで食事をした際、出された『消毒済み』の食器についていた汚れ」を中国メディア「潇湘晨報」に訴える市民が同メディアに提供した証拠写真(中国のネットより)

そこで、「潇湘晨報」の記者は2月28日、この市民が指摘する食器の洗浄や消毒を行う会社へ洗浄スタッフとして応募し、数日にわたる潜入取材を行った。

その結果、工場で使用する食器の洗浄水は「1日に1回しか交換されない」という、衝撃的事実が発覚したのだ。

また洗浄・消毒を行う作業場の衛生状況も芳しくない。作業着の消毒は規定通りに行われておらず、また作業員もマスクや帽子などを着用していない。

なかには素手で洗浄後の食器に触ったり包装を行う人もいるほか、手袋を外して、鼻水をかんだり鼻糞をほじくった後、その手で作業を続ける信じられない一幕も。

さらには、洗浄・消毒後の箸を梱包する際に、地面に落ちた箸をそのまま拾いあげて梱包するケースもあったという。

この問題工場は毎日数万セットの食器の洗浄・消毒を行っており、食器1セットあたり1元前後(約20円)の値段で長沙市内の著名な飲食チェーン店を含む多くのレストランに、洗浄・殺菌サービスを提供している。

この工場での食器洗浄・消毒工程は、まず工場に送られてきた汚れた食器に残る食べカスを取り除いた後、高温の水につけて洗浄し、それからすすいだ後に乾燥させて、包装され、顧客である飲食店に送られる。

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