中国EV販売急減 在庫365万台で値下げ競争激化

2026/03/13
更新: 2026/03/13

今年1~2月の中国自動車メーカーの販売台数が大幅に落ち込んだ。年初には、米電気自動車(EV)大手テスラの販売戦略に中国メーカーも追随し、実質的な値下げに踏み切ったが、販売は依然として低迷している。

EV大手のBYDは2月の販売台数が前年同月比で約4割減となり、過去6年で最大の落ち込みを記録した。自動車販売業者によると、中国では在庫車が急増しており、各メーカーは在庫処分のため値下げ競争を激化させている。

公開資料によると、2025年末時点で中国の在庫車は365万台を超え、過去最高を更新した。このうち約3分の2をEVが占めている。メーカー各社は在庫一掃のため、「ワンプライス」や「走行距離ゼロの中古車」などの名目で大幅な値下げ販売を行っている。

一方で、コスト削減や装備削減のほか、条件付き販売などによって消費者の負担が増えるケースもあるという。ディーラーの証言によれば、「ワンプライス」は装備を簡素化するだけでなく、「正規ディーラーでの買い替えを必須とする」「下取り車の残価を低く見積もる」といった追加条項が含まれる場合もあり、消費者に不利な条件が付けられることもあるという。

あるディーラーの王さんは「テスラは当初5年ゼロ金利を打ち出していたが、1月からは7年の低金利ローンを導入した。これは実質的な値下げだ。表向きの値下げは認められていないためだ。多くの中国製ガソリン車やEVもテスラを模倣し、ゼロ金利や低金利ローンを導入している。今年のEV市場はガソリン車よりも厳しい状況になるだろう」と分析する。

販売不振の背景には、税制変更と新たな電池安全基準の導入があるとの見方もある。2026年1月1日から中国では自動車取得税が「全額免除」から「半額課税」に変更され、12年間続いた免税優遇措置が終了した。また新たな電池国家基準では、EVが衝突事故を起こした場合、2時間以内に発火や爆発、自発的発火を起こしてはならないと定められている。

王さんは「市場には旧基準の在庫車が200万台以上ある。7月1日を過ぎればナンバープレートを取得できなくなり、事実上売れなくなる可能性がある」と指摘する。新基準は2025年4月に公布されたが、メーカーやディーラーが在庫処分できるよう施行は1年以上先送りされたという。

中国製EVでは近年、自然発火事故が相次いで報じられている。BYDや理想汽車(LI Auto)、小米のEV「SU7」などでは、衝突事故後に急速に炎上するケースや、ドアロックにより脱出が困難になったとされる事故も報告されている。

別のディーラーの楽さんは「国産EVはコスト削減が優先され、安全性より利益追求が重視されている」と批判する。また、正規ディーラーでの定期点検を受けない場合、車両のバッテリー機能を遠隔で停止する「電池ロック」が行われるケースもあると証言する。

楽さんによると、あるBYDのオーナーは正規ディーラーでの点検を受けなかったため、遠隔操作でバッテリー機能を停止された。別の修理工場で解除したものの、EVの位置情報機能によって発覚し、その修理業者は訴えられて昨年、実刑判決を受けたという。この件を報じたインフルエンサーや自媒体も提訴され、賠償を命じられたとされる。

楽さんは「正規ディーラーでの定期点検は2~3千元かかるが、外部の修理工場なら2~3百元で済む。正規ディーラーに行かなければ電池ロックをかけられ、解除には3千~1万元ほど請求されることもある」と述べ、メーカーによる車両の遠隔管理の実態に懸念を示した。

新唐人