ドイツの元医師が、新著『オンデマンドの殺人(Killed to Order)』の著者ヤン・エキレック(Jan Jekielek)氏に対し、重度の肝臓病を患うある女性が、約10年の間に中国で3回もの肝移植手術を受けたと証言した。
『オンデマンドの殺人:中国の臓器収奪産業とアメリカ最大の敵の真の正体』(Killed to Order: China’s Organ Harvesting Industry & the True Nature of America’s Biggest Adversary)は、中国共産党(以下、中共)による臓器収奪の告発に関する、過去20年近い研究と調査成果をまとめた一冊である。本書は、この邪悪な産業が中共による国家レベルの体系的な運用であることを暴露している。
著者のヤン・エキレック氏は、長年にわたり中国の人権問題に注目してきたベテランジャーナリストであり、現在は英語版『大紀元時報(The Epoch Times)』のシニアエディター、およびインタビュー番組『米国思想リーダー(American Thought Leaders)』の司会者を務めている。
エキレック氏は2月20日、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の独占インタビューに応じ、多数の独立調査、医療文献の分析、証言を引用。臓器移植について「2015年から全面的に自発的な臓器提供制度へ移行した」とする北京当局の主張に疑問を呈した。
同氏によれば、中国では毎年膨大な数の臓器移植手術が行われており、多くの患者がわずか2週間、あるいはそれ以下の短期間で適合するドナーを見つけ、手術のスケジュールを組むことができる。これは、いつでも「オンデマンド(要求に応じて)」で取り出せる巨大なドナーの在庫がなければ不可能である。
エキレック氏は、これほど巨大なドナー供給源は、国家レベルの運営があって初めて可能になると分析する。中共当局には「おそらく100万人規模の人々を大規模に監禁する能力があるはずだ」と指摘した。
また、同氏は最新の事例についても言及した。ドイツ出身の元移植外科医が彼に語ったところによると、珍しい肝疾患を患い重度のアルコール依存症であったある女性が、過去10年ほどの間に中国で3回、相次いで肝移植を受けたという。
倫理に反する「2週間」の待機期間
エキレック氏はこの事実に衝撃を受けたと語る。倫理的な背景を持つ社会であれば、臓器移植を受けるにはまず適合するドナーを探さなければならない。そのためには、誰かが不幸にも災難な事故に遭い、かつその人物の臓器サイズ、血液型、組織が患者と一致する必要がある。ゆえに文明社会では、移植の成功までに数年待つのが通例である。
しかし、中国大陸ではわずか2週間で病院側がドナーを準備できる。これは、必要に応じていつでも人を殺せる状態にあることを意味する。
エキレック氏は別の事例も挙げた。イスラエルのテルアビブ大学移植外科主任のヤコブ・ラヴィ(Jacob Lavee)医師は、かつて心臓移植を長期間待っていた患者から、「2週間後に予定されている心臓移植手術を受けることになった」と突如告げられたことがある。
イスラエル移植学会の会長も務めたラヴィ医師は、当時、耳を疑ったという。それは「いつ誰が殺されるかを知っている」のと同義であり、本来あり得ないことだからだ。しかし、その患者は実際に中国へ渡って手術を受け、イスラエルに帰国した。
さらにエキレック氏は、2006年に命がけで臓器収奪を暴露した中国人医師についても言及した。当時、その医師の妻が海外で公表した内容によれば、外科医であった夫は自ら臓器収奪手術に加担していた。夫は妻に対し、生きた人間から2千個の角膜を摘出したことを告白し、その罪悪感から長年悪夢にうなされていたという。
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