写真はインタビューに答える高市早苗経済安保相。2021年撮影(清雲/大紀元)

自民・高市氏ら「スパイ防止法」制定を提言 中国共産党による情報活動への警戒背景に

自民党の高市早苗前経済安全保障担当大臣らは5月27日、治安対策の強化を目的とした提言書を石破茂総理大臣に手渡した。提言では、日本が諸外国と比べてスパイ行為への対策が不十分であると指摘し、重要情報の保護を図るため「スパイ防止法」の新設を含む法整備の検討を求めている。

高市氏は自民党「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」の会長を務めており、今回の提言は同調査会が中心となってまとめたものだ。提言には、外国勢力による偽情報の拡散防止や、政府の情報収集・分析能力の強化、さらに産業スパイへの対抗策なども盛り込まれている。特に、海外からの脅威やサイバー犯罪への対応力を高める必要性が強調された。

こうした法整備の背景には、中国共産党による情報活動やスパイ行為への警戒感が大きく影響している。中国は近年、「反スパイ法」や「国家秘密保護法」などの法改正を通じて、国家主導の情報収集体制を強化している。実際に日本人を含む外国人が中国でスパイ容疑により拘束される事案が相次いでおり、日本国内でも中国による諜報活動やサイバー攻撃、産業スパイへの懸念が高まっている。

▶ 続きを読む
関連記事
戦後最も厳しい安全保障環境に対応するため、政府は防衛装備移転を「重要な政策的手段」と位置づけ。木原官房長官は運用指針の見直しを「早期に実現」する方針を示した
中国共産党海軍の空母「遼寧」を中心とする艦隊が太平洋上で活動し、艦載機の発着艦訓練を集中的に実施した。防衛省は自衛隊艦艇や哨戒機を投入し、継続的な警戒監視と情報収集を行っている
中国共産党海軍の情報収集艦が沖縄・宮古島周辺海域を航行したことが確認された。防衛省は海自哨戒機を出動させ警戒監視を実施。南西諸島周辺で続く中共海軍の活動が改めて浮き彫りとなった
中国共産党政権が日本に対して軍事的・経済的圧力を強めている背景には、国内の不安定化と社会不安の深刻化を覆い隠す狙いがあるとみられている
日本の小泉進次郎防衛大臣は12日、米ヘグセス国防長官と電話会談。中国軍J-15が自衛隊F-15を30分ロックオンしたレーダー照射事件に深刻懸念を示し、日米同盟の抑止力を強調。中共・露共同巡航も協議した