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恋のはじまりに男女差あり? 研究が解明

古代の言葉に「男女には違いがある」とあります。これは、男性と女性が生理的および心理的に異なり、それぞれにふさわしい礼儀やふるまいがあることを意味しています。実際、男性と女性の違いは、日常生活のさまざまな場面に表れています。最近の研究では、恋に落ちるスピードにも男女差があることが明らかになりました。

この研究は、オーストラリア国立大学の博士課程に在籍する生物人類学者アダム・ボード(Adam Bode)氏が主導したもので、「男性は一般的に女性よりも早く恋に落ちやすいが、女性の方がパートナーに対する執着度が高い」という結果が示されています。

ボード氏は、「これまでにも男女間におけるロマンティックな愛の違いを扱った研究はありましたが、実際に恋愛中の人々を対象にし、なおかつ異文化的なサンプルを用いた研究はこれが初めてです」と語っています。

彼はさらにこう述べています。「これは、男女のロマンティックな愛の体験における違いを明らかにするために、比較的大規模かつ多文化なサンプルを使用した初の研究です。男女のロマンティックな愛のいくつかの側面において確かな違いがあることを示す、信頼性の高い証拠が得られました」

この研究はヨーロッパ、北アメリカ、南アフリカなど33か国を対象に行われ、研究チームは「生物学的な性差がロマンティックな愛の発生、進展、表現にどのような影響を与えるのか」に最も注目していたと述べています。

研究では、18歳から25歳までの若者808人を対象に、恋愛の初期2年間に関する調査データを分析。恋愛の回数、恋に落ちるタイミング、愛の強度、パートナーへの思いの強さ、そして将来への約束の意識といった側面で男女の違いを比較しました。

この研究には「2022年ロマンティック愛調査(Romantic Love Survey 2022)」のデータが使用されており、この調査はロマンティックな愛を経験した1,556人の若者を対象とした世界最大規模のデータベースで、昨年から世界中の研究者に利用可能となっています。

この研究の結果、平均的に男性は女性よりも1か月早く恋に落ちる傾向があり、女性はロマンティックな愛の強度をやや強く感じ、愛する人への思いも男性より強いことが分かりました。

また、男性は恋愛関係が正式に始まる前に恋に落ちる可能性が高いことも示されています。30%の男性参加者が「パートナーと正式に交際する前に恋に落ちた」と答えたのに対し、女性でそのように答えたのは20%未満でした。

ボード氏は、ロマンティックな愛の強度や思慕、コミットメント(約束や献身)の感じ方において、性別以外にも個人差や生態的要因、たとえば「性別不平等」などが大きな役割を果たしていることを発見したと述べています。性別平等が比較的高い国から来た人々は、愛の強度が低く、パートナーを思い出したり、強いコミットメントを示したりすることが少ない傾向にあるという結果も得られました。

このように、ロマンティックな愛における性差は単なる生物学的な性別によるものだけでなく、個人が置かれた環境やそこから受けるストレスにも関係していることが研究から明らかになっています。

ボード氏は例として、「私たちの研究では、男性は一般的に女性よりも1か月早く恋に落ちることが多いです。これは、男性がパートナーの心をつかむために、先にコミットメントを示す必要があるからかもしれません」と説明しています。

さらに彼は、「ロマンティックな愛は家庭や恋愛関係の形成において重要であり、文化に与える影響や普遍性を考慮すれば、この分野の研究はまだ十分とは言えません。私たちは、人々が愛についてより深く理解できるようサポートしたいと考えています」と語りました。

この研究成果は、『性別差異生物学(Biology of Sex Differences)』という学術ジャーナルに発表されました。

(翻訳編集 里見雨禾)

陳俊村