ロシア海軍ヴィシニャ級情報収集艦(艦番号208)が6月4日朝、隠岐諸島北西約40kmの海域で確認された。(提供:統合幕僚監部)

ロシア海軍情報収集艦 隠岐諸島から宗谷海峡へ 自衛隊が警戒監視

防衛省統合幕僚監部は6月9日、ロシア海軍ヴィシニャ級情報収集艦(艦番号「208」)の日本海沿岸における動向について発表した。発表によると、同艦艇は6月4日午前6時ごろ、島根県・隠岐諸島の北西約40キロメートルの海域で海上自衛隊により確認された。その後、艦艇は隠岐諸島北東の接続水域内を東進し、6日には新潟県・佐渡島北の接続水域内を北東進、8日には北海道・礼文島西の接続水域内を北進した後、宗谷海峡を東進したことが確認された。

今回の動向に対し、防衛省・自衛隊は海上自衛隊舞鶴警備隊所属の多用途支援艦「ひうち」(舞鶴)および大湊警備隊所属の多用途支援艦「すおう」(大湊)を用いて、警戒監視と情報収集を実施した。これらの対応は、外国軍艦艇による日本周辺海域での活動に対し、常時警戒態勢を維持する自衛隊の通常業務の一環である。

ヴィシニャ級情報収集艦は、電子情報の収集や通信傍受などを主な任務とするロシア海軍の艦艇であり、近年も日本周辺での活動が複数回確認されている。今回の航行経路は、日本海から宗谷海峡を経てオホーツク海方面へ抜けるルートであり、各地の接続水域(領海の外側12海里以内の海域)を通過したが、日本の領海への侵入は確認されていない。

▶ 続きを読む
関連記事
防衛省は12式地対艦誘導弾能力向上型の米国での発射試験に成功し、本年度中の開発完了に目途を付けた
米上院の超党派議員は17日、中共による日本への圧力を批判し、日本を支持する決議案を提出した
内閣府の令和6年度重要土地等調査で、外国人・外国系法人による取得は3,498筆個(3.1%)に上った。中国系が約半数を占め、特に東京都内の重要施設周辺で取得事例が突出している
小泉進次郎防衛相が16日、自身のXアカウントで「冷静・厳格!」と書かれたパイロットの手袋を紹介し、中国軍機によるレーダー照射問題と絡めて大きな反響を呼んだ
戦後最も厳しい安全保障環境に対応するため、政府は防衛装備移転を「重要な政策的手段」と位置づけ。木原官房長官は運用指針の見直しを「早期に実現」する方針を示した