パリの街中に設置されていた電話ボックス(1975年、STR/AFP via Getty Images)

デジタル化前の時代を懐かしむ テクノロジーの恩恵とその代償

近頃、70、80年代の映画を見た人はいるだろうか。その頃の映画には、現代の人々にとって興味をそそられる要素が散りばめられている。けれども悲しいかな、もうあの頃には二度と戻れないのである。

80年代といえば、世の中のデジタル化が進み、社会全体が電子機器に依存し、常に監視と情報過多にさらされるようになる前の、最後の時代だ。SNSが若者を堕落させ、スマートフォンが知識階級の仕事を奪い、お年寄りがネット詐欺師の餌食になる前の時代だ。

人々は実体のある世界で、信頼、学び、コミュニティの上に成り立つ人間らしい生活を送っていた。人はただ消費するだけの存在ではなく「社会の財産」であり、知性と才覚が重んじられた。

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