腰のこわばりや痛みは、腸腰筋の緊張と関係している可能性があります。腸腰筋をターゲットにしたストレッチは、筋肉の緊張をほぐし、不快感を軽減します。
腸腰筋の緊張を簡単に確認する方法として「トーマス・テスト」があります:
- 仰向けになり、片方の膝を胸に引き寄せます。このとき、反対の脚(伸ばしたまま)が床から浮いたり膝が曲がった場合は、腸腰筋が硬くなっている可能性があります。
腸腰筋の緊張と腰痛
腸腰筋は、大腰筋と腸骨筋からなり、一部の人では大腰筋の前方に位置する小腰筋も含まれます。
大腰筋は胸椎12番から腰椎5番までの椎体および横突起から起こり、腸骨筋は腸骨窩の内面から起こります。これら二つの筋肉は合流して、太ももの小転子に付着する共通の腱を形成します。
腸腰筋は上半身と下半身をつなぐ最も強力な筋肉の一つとされます。この筋肉群が過度に硬くなったり弱くなったりすると、股関節の屈曲が腰の不快感を引き起こします。場合によっては骨盤が前傾し、仰向けで寝たときに腰の下に隙間ができやすくなり、起床時に腰の痛みを感じることがあります。
2025年3月に発表された研究では、腸腰筋の硬さが、運動中の下肢のケガのリスク増加と関連していることが示されました。
腸腰筋の緊張をほぐすエクササイズ
エクササイズ1:膝立ち股関節ストレッチ
- 片膝立ちになり、前方の脚は膝を曲げて置きます。後ろの脚は股関節より後方に伸ばし、膝を床につけます。
- 上半身をまっすぐ保ち、体重を前方かつ下方にゆっくり移動させます。後ろ脚の股関節前面から太もも上部にかけて伸びを感じるはずです。
- 両腕を頭上に上げると、腸腰筋の伸びがさらに深まります。
エクササイズ2:トカゲのポーズストレッチ
- 四つんばいから始め、片足を大きく前に踏み出して、同じ側の手の外側に置きます。前足はやや外側に開き、後ろの膝は床につけます。
- 腸腰筋の伸びを深めるため、ゆっくりと肘を床に近づけます。
エクササイズ3:デッドバグバリエーション
- ストレッチを始める前にブリッジでお尻を持ち上げます。その後、腰とお尻が床にしっかり接する位置まで戻します。膝を曲げて脚を持ち上げ、太ももとふくらはぎが90度になるようにします。
- 片脚をゆっくりとコントロールしながら床方向に下げます。このとき、腹筋と腸腰筋を働かせるために腰を床にしっかり押し付けます。かかとが床に軽く触れるまで下げ、反対の脚も同様に行います。
脚が途中で止まってしまったり、急に落ちる場合は、その角度の動きに弱点があり、集中的な筋力強化が必要です。
まとめ
最初の2つのエクササイズは腸腰筋をリラックスさせ、3つ目は筋力強化を目的としています。腸腰筋の硬さを効果的に改善するには、長時間座ったままの姿勢を避けることが大切です。30〜40分ごとに立ち上がり、腸腰筋を伸ばしましょう。定期的なストレッチと筋力トレーニングは、硬さの軽減と長期的な活動効率の向上につながります。
(翻訳編集 井田千景)
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