【ニュースレターが届かない場合】無料会員の方でニュースレターが届いていないというケースが一部で発生しております。
届いていない方は、ニュースレター配信の再登録を致しますので、お手数ですがこちらのリンクからご連絡ください。

なぜ「食べる量を減らす」より「正しく食べる」ことが大切なのか ― 専門医が語る

多くの人がダイエットで体重を減らそうとしますが、その効果を維持できずに終わってしまいます。肥満専門家の蔡明劼(サイ・ミンジエ)氏は、エポックタイムズの姉妹媒体である新唐人テレビの番組「健康 1+1」で、従来のダイエットは維持が難しく、多くの人が1~2年以内にリバウンドしてしまうと語りました。

彼は、減量の鍵は「食べる量を減らすこと」ではなく、「正しい方法で、正しい分量を食べること」にあると指摘しました。この方法は体重をうまく減らすだけでなく、その後のリバウンドも防ぐことができます。

なぜダイエット後にリバウンドしやすいのか?

減量を始めるとき、多くの人がまず考えるのは「食べる量を減らすこと」です。この方法は最初こそ効果が出るかもしれませんが、蔡氏はリバウンドのリスクが非常に高いと警告します。その理由は主に3つあります。

基礎代謝の低下

カロリー摂取が不足すると、体は自己防衛の仕組みを作動させ、基礎代謝を下げてエネルギーを節約します。この代謝低下により消費カロリーが減り、疲労感やエネルギー不足を引き起こします。また、この自己防衛反応は高カロリー食品への欲求を強め、暴飲暴食やリバウンドにつながります。

筋肉量の減少

ダイエットは脂肪を減らすだけでなく、筋肉量の減少も招く可能性があります。筋肉は維持するのに多くのエネルギーを必要とするため、体はエネルギー消費を抑えようと筋肉を分解し、カロリー不足を補おうとします。したがって筋肉が減るとさらに代謝が落ち、リバウンドのリスクが高まります。

心理的要因

人間は機械ではありません。長期間、意識的に食欲を抑え続けると、強い反動が起きやすくなります。食欲が再び高まると「減量は失敗した」と感じ、あきらめて「また今度やればいい」となり、結局リバウンドしてしまうのです。
 

制限ではなく正しい食事バランス

蔡氏は、特に急激な減量を目指す女性に多いのが、健康的な体重管理の基本原則を十分に考慮せず、極端な方法に走ってしまうことだと警告しました。その結果、拒食症、ホルモン異常、脱毛などの健康問題を引き起こす可能性があります。彼は、本当の減量はサプリや「即効法」に依存するものではなく、賢い食事調整から始まる健康的で持続可能な生活習慣を築くことだと強調しました。

カロリー計算に執着するのではなく、食事の分量を管理しつつ栄養バランスを取ることを学ぶべきだと蔡氏は勧めています。また、運動習慣をつけることで代謝を高め、体重を維持できます。さらに、現実的で無理のない目標設定も重要です。たとえば20~30㎏減量したいなら、数か月から1年かけて、自然で健康的に達成する心構えが必要です。
 

ハーバード大学「健康的な食事プレート」法

適切な食事バランスは、体重維持とリバウンド防止に欠かせません。栄養素をバランスよく含む食事は満腹感を高め、エネルギーを安定的に供給し、食欲を抑制し、筋肉を守り、代謝を健康的に保ちます。これらはすべてリバウンド防止に重要です。

蔡氏は、日常の食事に「ハーバード大学・健康的な食事プレート法」を取り入れることを推奨しました。この方法では、お皿を4つに分け、正しい食事バランスを習慣づけます。

  • 左上(大きい部分):葉物野菜、ニンジン、昆布、キノコなど多様な野菜。
     
  • 左下(小さい部分):握りこぶし大の果物1つ。果物は食物繊維と抗酸化物質を含み、肥満リスクの低減に役立ちます。
     
  • 右上(炭水化物):玄米、白米、麺類などの全粒穀物。砂糖や油を多く使った炭水化物(例:チャーハン、油で揚げた麺)は避ける。
     
  • 右下(タンパク質):鶏肉や魚介類などの良質なたんぱく質。牛肉や豚肉などの赤身肉は適量にとどめ、ハムやベーコンなど加工肉は避ける。
(Copyright © 2011, Harvard University.)

多くの人は「減量には炭水化物を完全に避ける必要がある」と誤解しています。蔡氏は、この誤解を正すことが減量と健康的な食生活の第一歩だと指摘しました。

重要なのは、加工された炭水化物と自然の炭水化物を区別することです。パン、クッキー、ケーキなどの加工・精製された炭水化物は食物繊維や栄養が取り除かれており、体に吸収されやすく、血糖値を急上昇させ、脂肪蓄積の原因となります。

一方で、玄米、オート麦、全粒パンなどの自然食品には質の高い炭水化物が含まれています。豆類は炭水化物とタンパク質の両方を含む栄養価の高い食品で、体重管理にも役立ちます。
 

外食で太らないためには?

蔡氏は、外食が多い人にとって減量は確かに難しいと認めています。その理由は、多くの飲食店が料理や味付けに大量の砂糖、油、塩を使用しているからです。頻繁に食べれば体重増加につながります。

しかし蔡氏は、外食時でも「ハーバード健康プレート」の割合を意識することで、食事をコントロールしつつ減量は可能だと強調しました。お皿をイメージしたり、弁当箱や紙皿を利用して分量を調整するのはよい方法です。野菜は最も大きな割合で、両手のこぶし2つ分。果物はこぶし1つ分、タンパク質と炭水化物はお皿の4分の1ずつに収めます。

また、会食やデザートの場面でも「減量のためにすべて断る必要はない」と蔡氏は言います。

そのための3つの戦略を蔡氏は提案しています。

  • 予防: 食事前に量を減らす。たとえば午後にケーキを食べる予定があるなら、昼食を軽めにして低脂肪のものを選ぶ。あるいは食前に運動をする。蔡氏は食前に筋トレを行い、筋肉のグリコーゲンを消費させて、糖を筋肉に蓄えやすくし、脂肪として蓄積されないようにしているそうです。
     
  • 調整: 一度の食事で食べすぎたら、次の食事の量を減らすか、運動で消費カロリーを増やす。
     
  • リラックス: 会食や友人とのデザートを楽しむときは、ストレスや罪悪感を持たないこと。前向きでリラックスした気持ちで人生を楽しむことが、やる気を保ち、長期的な体重管理に役立ちます。

(翻訳編集 井田千景)

Ben Lam
英文大紀元が提供する医療・健康情報番組「健康1+1」の司会者を務める。海外で高い評価を受ける中国の医療・健康情報プラットフォームであるこの番組では、コロナウイルスの最新情報、予防と治療、科学研究と政策、がんや慢性疾患、心身の健康、免疫力、健康保険など、幅広いテーマを取り上げている。