頼清徳台湾総統の弾劾手続きが始動 台湾情勢と日本との関係
台湾の立法院は26日、野党・国民党および民衆党が提出した頼清徳総統に対する弾劾案について、来年5月19日に本会議で表決を行う日程を決定し、全院委員会での審査および総統本人の招致を行うことを賛成多数で決めた。中央通訊社が報じた。総統弾劾手続きが正式に進むのは中華民国史上初となる。
弾劾案は、卓栄泰行政院長が、立法院で可決された財政収支配分法改正案について、公布に必要な副署を行わないと表明したことを受けて発議された。台湾の憲法追加修正条文では、弾劾成立には立法委員総数の2分の1以上の発議、3分の2以上の賛成決議に加え、司法院大法官会議で現有大法官の3分の2以上かつ9人以上の同意が必要とされており、手続き上のハードルは高い。
立法院では現在、最大野党の国民党が無所属1人を含め54議席、第2野党の民衆党が8議席を占め、与党・民進党は51議席にとどまっている。野党が過半数を握る構図の中で、弾劾手続きが制度に沿って進められることとなった。
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