日本の急所を狙う中露「独裁の枢軸」
「スパイ天国」脱却へ ビジネスパーソンが直面する防諜の最前線
ウクライナにおける戦火や台湾海峡をめぐる緊張は、一見すると日本国外の限定的な地政学リスクと捉えられがちである。日々の業務やサプライチェーンの維持に追われるビジネスパーソンにとって、安全保障とは国家が専管すべき領域に映るかもしれない。
しかし、その防諜やリスクマネジメントに対する意識の隙こそが、我が国が直面している最大の課題である。世界は今、冷戦期を超える秩序再編の渦中にある。その地殻変動の核心とは、中国とロシアという二大国が、軍事・経済・情報・先端技術のあらゆる領域で実質的な協調体制「独裁の枢軸(Axis of Autocracy)」を構築しているという厳然たるファクトである。
中露両国が既存の国際秩序を再構築するために連携を進める中で、その地理的・地政学的な境界線上に位置しているのが、我が国・日本である。ビジネスパーソンが日常的に扱う先端技術データ、グローバルなサプライチェーン、および日々接しているインターネットの情報空間そのものが、すでに中露による「非公然な影響力工作」の対象となっている。私たちはもはや無関係な傍観者ではいられない。
関連記事
かつて世界が推進した「ネットゼロ」政策は、欧州の電力不足やエネルギー危機を機に見直しを迫られている。本記事では専門家の指摘やテック企業の方針転換を交え、極端な気候変動対策と現実の乖離を浮き彫りにする
世界の注目を集める米国の債務問題。しかし真の火種は、隠れた巨額債務と成長力欠如を抱える「ユーロ圏」にあるかもしれない。中央銀行の買い支えも限界を迎えるなか、次の国家信用危機の震源地となるリスクに迫る
原爆投下から81年。米国の決断は「悪魔の所業」だったのか、本土決戦を回避し無数の命を救う苦渋の選択だったのか。当時の軍事的・地政学的背景を再検証し、現代の独裁政権による核の脅威と兵器の本質に迫る
中国国営メディアが生誕100年で称賛する江沢民元党首。しかしその裏には、天安門事件での台頭、法輪功迫害や「厳打」運動、形骸化したWTO公約など、隠蔽された弾圧と強権統治の冷酷な歴史的事実が存在する
WHOと世界銀行によるパンデミック対策計画に対し、投資の算出根拠や資金配分の優先順位を検証した寄稿記事。著者は、既存の公衆衛生への影響や国際機関の説明責任を指摘し、政策決定のあり方に疑義を呈している