ブルーライトと紫外線はどう違う? 屋内外で目を守る方法

「屋外の紫外線は高温の急速調理のようなもので、室内の画面からのブルーライトは低温のゆっくりとした調理のように水晶体を徐々に調理します」と、台湾の国立清華大学で材料科学と工学の教授を務め、抗ブルーライト技術を長年研究してきた周卓煇氏は述べました。

現代の生活では、一日中、目が光にさらされ続けています。屋外の日光から、室内のコンピューター画面、デスクランプ、頭上の照明まで、さまざまです。周氏は、特にコンピューターで長時間働く人に対し、光にさらされる強さと、その時間の両方に注意を払うよう勧めています。

紫外線は、白内障をはじめとする眼障害の原因として広く知られているリスク要因です。通常の画面から出るブルーライトが人間の目の病気を引き起こすことは示されていませんが、強い、あるいは長時間にわたる短波長の光は、実験室の研究において酸化による損傷を引き起こすことが分かっています。画面を長時間使用すると、ドライアイやぼやけた視力、頭痛、眼精疲労を招くこともあります。これは主に、まばたきの回数が減り、一定の距離に長時間焦点を合わせ続けることが原因です。

電子機器がなくても、明るい頭上やデスクの照明が目の不快感につながることがあります。特に、光が目に直接当たったり、グレアを生んだりする場合です。

『Ophthalmology and Therapy』誌に掲載された総説によると、動物や細胞を対象とした研究では、ブルーライトが角膜や水晶体、網膜で光化学反応を引き起こし、酸化ストレスを増やして細胞を傷つけることが分かっています。著者たちは、子どもと高齢者は特定の光への曝露により敏感である可能性があると指摘しました。これは、目が光を通したりフィルターしたりする仕組みに違いがあるためです。

2022年の研究で、周氏とそのチームは、人工光に対して許容できる網膜への曝露量を推定する方法を開発しました。このモデルでは、ランプの明るさや色温度、そして目からの距離が考慮されています。

その結果、許容される曝露時間は、照明の種類や見る条件によって大きく異なり得ることが示唆されました。より明るいランプ、より冷たい色温度、より短い視聴距離は、おおむねより短い曝露限界につながりました。この研究は、ランプを適切な位置に置き、直接のグレアを避け、長時間の読書や近くでの作業の合間に定期的な休憩を取ることの大切さを強調しています。
 

水晶体を早期に守る

目に見えて視力が低下する前に目を守るほうが、問題が深刻になるまで待つよりも望ましい、と周氏は考えています。

同氏は、軽度の白内障を発症したある高校の校長と関わったときのことを振り返りました。周氏の勧めに従い、校長はブルーとバイオレットの光をフィルターする眼鏡をかけ始めました。それから数年が経っても、校長の視力は比較的クリアなままで、白内障の手術は必要になっていません。

周氏はこれまでに、ブルーライトを遮断する眼鏡を一貫して使い続けることで、何年も白内障の進行が安定したままの人たちに、何人も出会ってきたといいます。その一例が、眼鏡を長期間使用した、軽度の白内障のある70歳の女性です。眼科検査の際、担当の眼科医は、彼女の白内障が以前の検査時よりも進行が少なく、濁りも軽いように見えることに驚いたそうです。

もちろん、こうした個人の体験だけでは、眼鏡をかけていなかった場合に白内障がどう進行していたかを、確実に判断することはできません。それでも周氏は、こうした事例によって、短波長の光への積み重なった曝露を減らすことが、加齢していく水晶体を守る助けになるのかどうかという関心が、いっそう強まったと述べています。

ほとんどの白内障は、年齢を重ねるにつれて水晶体の中にあるタンパク質が分解し、固まり合うことで、徐々に進行していきます。糖尿病、喫煙、ステロイドの使用、目のけが、以前受けた眼の手術、遺伝、長期にわたる紫外線への曝露といった要因も、リスクを高めたり、進行を早めたりすることがあります。

屋外では紫外線を防ぐアイウェアを着用し、血糖値を管理し、喫煙を避け、定期的に眼の検査を受けること。これらは、長期的な目の健康を守るための、最も現実的な方法の一つです。
 

白内障手術のあとも続く、目の保護

白内障手術では、濁った自然の水晶体を取り除き、人工の眼内レンズに置き換えます。

人工レンズは一般に紫外線をフィルターし、製品によっては可視光に含まれるブルーライトの一部もフィルターします。フィルターの度合いは、レンズの設計によって異なります。これから白内障手術を受ける人は、レンズの種類によって光をフィルターする特性がどう異なるか、また色の見え方やコントラストの感じ方、夜間の視力にどのような影響があり得るかについて、担当の眼科医に尋ねてみるとよいでしょう。

すでに白内障手術を受けた人に対しても、周氏は、強い日光から目を守り続けることを勧めています。紫外線を遮断するサングラスと、つばの広い帽子は、屋外での実用的な保護になります。さらにブルーライトのフィルターを望む人は、特に網膜疾患や緑内障、片頭痛、その他の眼の症状がある場合には、アイケアの専門家に相談し、自分に合った眼鏡を選ぶとよいでしょう。
 

ブルーライトをフィルターするレンズの選び方

しかし、市場に出回っている、クリアで無色の「ブルーライト遮断レンズ」の多くは、限られた保護しか提供していません。周氏は、50代のある女性教授が、白内障手術のあとに、ブルーライト遮断をうたう眼鏡を処方された例を紹介しました。周氏のチームが特殊な機器でその眼鏡を検査したところ、レンズは全体の光の強さを弱めているだけで、ブルーやバイオレットの光を効果的にはフィルターしていないことが分かったといいます。

では、本当に効果的なブルーライト遮断製品を選ぶには、どうすればよいのでしょうか。周氏は、次のような見分け方を挙げています。

  • 目視チェック:白い光は、赤、緑、青からできています。ブルーライトがフィルターされると、残った赤と緑が組み合わさって、黄色やオレンジ色になります。そのため、本当にブルーライットをフィルターしているレンズは、黄色やオレンジ色に見えるはずです。完全に無色透明なレンズは、ブルーライトが十分に取り除かれていないことを意味します。
     
  • 色の濃さ:薄い黄色では、限られた保護しか得られません。より濃い黄色やオレンジ色のレンズのほうが、ブルーライトをより効果的にフィルターします。
     
  • 分光計によるテスト:最も信頼できる方法は、スペクトルグラフを調べることです。本当に効果的な眼鏡であれば、鋭いブルーライトのピークを、完全に平らにできるはずです。

コンタクトレンズについては、複数のブランドのブルーライト遮断製品をテストしたところ、そのほとんどすべてが効果を示さなかった、と周氏は述べました。これは、レンズを暗くしすぎると見た目に影響すると、メーカー側が懸念しているためだといいます。同氏は、アスリートなど、本当にブルーライト対策を必要としている人のために、効果の確かなブルーライト遮断コンタクトレンズを開発するよう、メーカーに呼びかけています。

通常の暗い灰色のサングラスは、あらゆる光の強さを一律に弱めてしまうため、視界の明瞭さも大きく落ちてしまう、と周氏は言います。トンネルに入ったときや屋内に入ったとき、物がよく見えなくなることで、かえって安全上のリスクが高まることもあります。それに比べ、質の良いオレンジ色のブルーライト遮断眼鏡であれば、高い明瞭さを保ちながら、目の保護を高めることができます。
 

屋内でも屋外でも、目を守る

屋外では、紫外線を遮断するサングラスを帽子や日傘と組み合わせることで、直射日光を減らすことを、周氏は勧めています。顔に沿うラップアラウンド型のフレームは、横から入り込む光を抑えることで、さらに高い保護効果を発揮します。

屋内では、明るいデスクランプを目に直接光が当たる位置に置かないようにし、ブルーライト遮断眼鏡を着用してください。ランプは、読んでいる資料全体を均一に照らし、グレアや強い反射を生まないものが望ましいでしょう。暖かみのある色の照明は、夜の時間帯に心地よく感じられることがありますが、必要のないときは、過度に明るい、あるいは冷たい色の照明を控えるとよいでしょう。

電子機器を使うときは、画面の明るさを、周囲の部屋の明るさに近づけるよう調整してください。画面は心地よく感じられる距離に保ち、目の高さよりわずかに低い位置に置きましょう。文字のサイズを大きくすることも、前かがみになったり、強く見つめたりする癖を減らす助けになります。

定期的に休憩を取ることは、画面による不快感を和らげる、最もシンプルな方法の一つです。よく知られている「20-20-20」のルールは、20分ごとに、少なくとも約6メートル先のものを20秒間見る、というものです。近くのものを見る作業の合間に、意識的にまばたきをすることも、涙の膜を補い、乾燥を防ぐ助けになります。

目を守るということは、光を完全に避けることではありません。むしろ、不要な光への曝露を減らし、屋外では適切なアイウェアを使い、一日を通じて目に休む機会を与えてあげること。それこそが、目を守るということなのです。

 

(翻訳編集 日比野真吾)

英文大紀元が提供する医療・健康情報番組「健康1+1」の司会者を務める。海外で高い評価を受ける中国の医療・健康情報プラットフォームであるこの番組では、コロナウイルスの最新情報、予防と治療、科学研究と政策、がんや慢性疾患、心身の健康、免疫力、健康保険など、幅広いテーマを取り上げている。
Shan Lam