座りすぎとスクリーン時間 心血管リスクを高める可能性

仕事や学校以外で長時間スクリーンに張り付くことは、目を疲れさせるだけでなく、血圧を静かに上昇させ、体重増加を招く可能性があることが、新たな研究で示唆されています。

3月に開催されたアメリカ心臓病学会年次科学セッションで発表されたこの研究は、デジタル習慣が心血管リスクの見過ごされてきた原因である可能性を示す新たな証拠を加えるもので、医師は食事や運動習慣に加えて、患者のスクリーンタイムについても尋ね始める必要があるとしています。
 

1日6時間超で心臓リスク増加

この研究は、パキスタンの都市部に住む平均年齢約35歳の成人382人を追跡調査しました。この地域ではデジタル技術の利用が急速に拡大する一方で、早期心疾患の発生率が歴史的に高いことが特徴です。研究者らは、仕事や学校以外で1日6時間以上スクリーンを使用する人と、使用時間が短い人を比較しました。

スクリーン使用時間の長いグループでは、平均して収縮期血圧が約18mmHg高く、有害とされるLDL(悪玉)コレステロールが28mg/dL以上高く、いわゆる善玉コレステロールであるHDLコレステロールが約4mg/dL低いという結果でした。また、ウエストサイズが大きく、ウエスト対身長比も高くなっていました。

これらの血圧やコレステロールの差が実際のものであり、長期にわたって持続する場合、臨床的に有意であると、研究に参加していないニューヨークのノースウェル・ヘルス・プレインビュー病院のインターベンショナル心臓専門医イアン・ギルクリスト博士はエポックタイムズに語りました。

重要な点は、身体活動、年齢、性別、初期の健康状態などの他の要因を考慮した後も関連性が残っていたことで、スクリーンタイムが独立したリスク要因である可能性を示していることです。

メカニズムは完全には解明されていませんが、研究に参加していない心臓専門医でStep One Foods創設者のエリザベス・クローダス博士は、エポックタイムズに対し、ビデオゲームやソーシャルメディアなどのスクリーン活動による神経系への刺激が、心臓の健康への影響の一部に関連している可能性があると述べました。

「これには大きな感情的要素があると思います。ビデオゲームはアドレナリンを大幅に増加させ、それによって血圧やストレスが高まります」と彼女は言いました。

クローダス博士は、ストレスホルモンが食事への意識を低下させる可能性もあると付け加えました。これは今回の研究では測定されていませんが、今後の研究で探究すべき点です。

ただし、この研究は関連性を観察したものであり、自己申告によるスクリーン使用時間に依存しているため、高いスクリーンタイムが直接これらの健康問題を引き起こすことを証明するものではありません。

これらの結果は、デジタル習慣を心血管リスク評価の正式なリスク因子として日常的に取り入れるほど強力なものではないと、研究に参加していないテキサス大学公衆衛生大学院の生物統計学・データサイエンス名誉教授バリー・R・デイビス博士はエポックタイムズに語りました。

「しかし、生活習慣歴の一部として尋ねることは理にかなっています」と彼は述べました。
 

スクリーン使用+運動不足は相乗問題

この研究では、スクリーン使用時間が長く、さらに身体活動が少ない場合、健康リスクがさらに高まることもわかりました。両方の習慣を持つ人は、どちらか一方だけの人に比べて血圧とBMIがさらに高くなっていました。

クローダス博士は、この研究では人々がどれだけ長く座っているかという点への焦点が不足していると指摘しました。

「運動について話すとき、私たちは人々がどれだけ運動しているかに注目していますが、実際にはネガティブな側面、つまりどれだけ座っているかを見ていません。ビデオやゲーム、スクリーンタイムの時間を尋ねることで、多くの洞察が得られます」と彼女は言いました。

研究者らはまた、スクリーン使用時間の長い人の4分の1以上が喫煙またはベイプ(Vape)を使用していると報告したのに対し、使用時間の短い人では12%だったと指摘し、スクリーンタイムが単一のリスク因子ではなく、不健康な行動の集積を示す指標になり得るとしています。
 

医師たちの見解

研究の筆頭著者である心臓専門医のザイン・イスラム博士は、この結果はよりきめ細かなカウンセリングの必要性を示していると述べました。

「従来、生活習慣指導は主に運動の奨励に焦点を当てていましたが、私たちの発見は、過度のスクリーン露出を減らすことが、介入のための追加的かつ独立した目標となり得ることを示唆しています」

このような介入は、身体活動を促進するだけでなく、デジタル行動パターンやデジタルウェルネス、長時間のスクリーン使用に対する構造的な制限にも対処できます。

イスラム博士はエポックタイムズに対し、この研究はパキスタンの都市部で行われたものですが、基礎となる行動パターン(デジタルエンゲージメントの増加と座りがちな生活様式)は世界的に共通していると述べました。

「したがって、この結果は方向性として、他の地域にも当てはまる可能性が高いです」と彼は言いました。

ただし、南アジアの人々に特有の遺伝的・環境的・社会経済的要因を考慮すると、「普遍的に結果を一般化する前に、多様な集団でのさらなる検証が不可欠です」とイスラム博士は強調しました。

クローダス博士も、診察室でスクリーンタイムにもっと注目すべきだという点に同意しました。心臓病とその主な要因(高コレステロール、高血圧、肥満、糖尿病)は主に生活習慣に関連していると彼女は指摘します。

「確かに遺伝的要素もありますが、生活習慣の影響は非常に大きいです。私たちは十分に質問せず、ただ処方するだけになりがちです」と彼女は言いました。

これらの要因はすべて絡み合っているとクローダス博士は強調しました。

「私たちはビデオゲームをするために設計されたのではありません。本物の生活をするために設計されたのです。外に出て活動するように設計されたのであって、スクリーンに張り付いて座るために設計されたわけではありません」と彼女は言いました。

研究者らは、デジタル習慣のより正確な追跡と長期追跡を含む大規模研究を行い、これらの関係性や、スクリーンタイムを減らすことが健康アウトカムの改善につながるかどうかを、より深く理解することを推奨しています。

イスラム博士は、重要なメッセージは、過度のスクリーンタイムが若年成人を含めた独立した修正可能な心血管リスク因子である可能性があり、運動と並んで予防的な心血管ケアの一環として減らすことを検討すべきだということだと述べました。

(翻訳編集 日比野真吾)

がん、感染症、神経変性疾患などのトピックを取り上げ、健康と医学の分野をレポート。また、男性の骨粗鬆症のリスクに関する記事で、2020年に米国整形外科医学会が主催するMedia Orthopedic Reporting Excellenceアワードで受賞。