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王子紙が北越紙への敵対的TOBを決議、三菱商への増資撤回なくても実施

 王子製紙<3861.T>は1日、経営統合提案をしている北越製紙<3865.T>に対する株式公開買い付け(TOB)の実施を決議したと発表した。北越製紙が三菱商事<8058.T>を引き受け先とする第三者割当増資を実施してもTOBは決行する。北越紙の経営陣は統合提案を拒否しているため、敵対的TOBに踏み切る。

 北越製紙への第三者割当増資の払い込み期日は8月7日となっており、三菱商事が払い込みを実施するかどうかが焦点の一つとなる。

 今回の買付価格は1株800円。期間は8月2日から9月4日までの34営業日。このTOBは発行済み株式数の50.0004%(1億0643万3284株)の応募があれば成立するとし、買付けに必要な資金は806億5459万円。応募株数が予定している買付け株数を超える場合は、王子製紙が残りの北越製紙の株式をすべて買い取るため、支払う金額は最大で約1658億円になる。

 ただし、三菱商事による第三者割当増資が撤回された場合は、TOB価格を860円に引き上げる。

 三菱商事は王子製紙によるTOB実施を受け「(第三者割当増資は)7月21日に発表した通り8月7日に払い込みを行う予定。何ら変更はない」とのコメントを発表した。

 これまで王子製紙は、北越製紙へのTOBについて、三菱商事への増資撤回を条件にしていた。7月24日に、王子製紙の鈴木正一郎会長と篠田和久社長は、三菱商事の小島順彦社長と会談したものの、小島社長は増資契約の成立を理由に増資撤回を否定。7月28日には、王子製紙の鈴木会長・篠田和久社長が北越製紙の三輪正明社長と会談したが、この日会見した王子製紙の篠田社長はTOBに踏み切る理由について、北越も三菱商事も「両者とも増資撤回を否定したため」と説明した。

 <製紙業界に再編必要、「友好的段階は過ぎた」>

 篠田社長はTOBに踏み切ることに「当然ためらいはあった」としたものの「現時点では友好的段階は過ぎた」と語った。

 そのうえで、国内の製紙需要の低下を背景に、再編なしの生き残りには「先行きにかなり問題がある」(篠田社長)という点、また、中国で大型・高効率の設備が新設され「中国企業の脅威がいずれ出てくる」(同)と危機感を抱いている点を強調。「個別での成長戦略は無理。統合して一緒に成長していくのが最重要だと考えた」と述べ、国内製紙業界の再編の必要性をあらためて訴えた。

 今後は北越製紙の経営陣に対して「経営統合に向かって理解をしてもらいたいというメッセージを送り続け、会える機会があれば会いたい」としている。

 <北越製紙が新株予約権発行で抵抗なら法的阻止も>

 北越製紙は7月19日に買収防衛策を導入しているが、篠田社長は7月3日に正式に経営統合の提案を行った点を強調。仮に北越製紙が新株予約権の発行などを決議すれば法的措置に出るかとの問いに対し「当然だ」(同)と語った。

 北越製紙は2日午前に臨時取締役会を開き、今後の対応を検討する方針としている。

(ロイター8月1日=東京)

 (06/08/02 08:04)  





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