つま先のピアニスト 両腕がなくても「家族のために頑張る」=中国達人ショー

【大紀元日本9月25日】8月10日、中国の人気オーディション番組「中国達人ショー」で、両腕のない青年がピアノでリチャード・クレイダーマン(Richard Clayderman)の「夢の中のウェディング」をで弾き、会場を感動の涙で包んだ。

ほっそりとした体型に、眼鏡のよく似合う人なつっこい笑顔。両腕を失った劉偉さんが弾くゆるやかなメロディーが、観客の心に響く。

劉偉さんは10歳の時、かくれんぼをして遊んでいた時に、高圧電線に触れて感電した。病院に運ばれた後、45日間生死の境を彷徨い、意識が戻った時には両腕が切断されていた。「どうやって食事をするの?」と聞くと、母親は、「自分で練習してできるようにするのよ。私たちが亡くなったら、あなたはどうやって生きていくの?」と言われた。

今は、「皆と変わらず、何でもできる」と言う劉さんは、今年23歳。音楽プロデューサーを目指している。19歳の時、足の指でピアノを弾き始めた。最初のころは足の筋肉が引きつったり、皮膚が擦り切れるなどして大変だったという。

「母は、この達人ショーで僕が良い成績をとることを期待していません。一番望んでいるのは、私が元気に生きていくこと。でも、僕は家族のために、この達人ショーでベスト3に入りたい。母に、私のような息子を持っていることを誇りに思ってもらいたいのです」と語る劉偉さん。

なぜ、誰も思いつかないような、足指でピアノを弾くという方法を?との審査員の質問に、劉偉さんは、「私の人生の中には、2つの選択しかありません。つまり、さっさと死ぬか、あるいは輝いて生きていくかのどちらかなのです」ときっぱりと語った。

中国達人ショーの審査員は、「あなたは真の達人の中の達人です。あなたを祝福し、感謝の言葉を贈りたい」と劉偉さんを絶賛。会場の観客からも大きな拍手と喝采が送られ、彼は見事予選を通過した。

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(翻訳編集・加藤まゆみ)