【紀元曙光】2020年12月5日

誰が「仕事をする政治家」であるか、よく分かる。
▼ポンペオ米国務長官は4日、中国政府が米政府の職員を対象に運営していた5件の「文化交流事業」を終了する、と発表した。当該の5件とは、中国共産党が「文化交流」の名のもとに米国政府の職員を抱き込むため、費用負担も含めて、全て中国主導でおこなっている対米工作である。
▼さすがポンペオさん、良い仕事をなされると感心する。ただ、それ以前までは、そういう「文化交流」にかこつけた中国の対米浸透策が存在したことが(あるのが当然とはいえ)柱を蝕むシロアリのようで嫌悪感を禁じ得ない。反ソ反共の象徴であった米国も、中共の各種トラップに関しては手薄か、無防備に近い状態だったかと思うと、ぞっとする。
▼ポンペオ長官が所属する現政権の長は、もちろんトランプ大統領である。言うまでもないが、バイデン氏は絶対にこんな判断はしないし、できない。表向きは対中強硬論を口にしながら、裏では手綱をゆるめ、中共の動きを黙過するだろう。万一、東シナ海が有事の舞台となった場合でも、先日の日本政府を喜ばせた言葉とは裏腹に、「日本が自分でやれ」とあっさり裏切る。それはそうだ。始めから中共とつながっているのだから。
▼さて、日本の政治家のセンセイ方にお訊ねする。まことに僭越ながら、小欄の筆者には「仕事をする政治家」には、どうにも見えない。もちろん、ざるそば5分の菅総理は、今日もお忙しいのだろう。
▼それでも菅総理。バイデン氏を日本の外交相手にするのは、お止めください。直すべきは、まずそこからです。