(花咲かずなり / PIXTA)

「レモンの香りがするハーブ」レモングラスの楽しみ方

レモンの香りがする植物なので「レモングラス」という、実に分かりやすい名前です。爽やかな香りのハーブの一種とご理解ください。


レモングラス」って、どんな植物?


レモングラスの葉は細長いススキに似ていて、レモンと同じシトラールが豊富に含まれているため、植物全体から濃厚なレモンの香りが漂います。

きれいな鑑賞用の花が咲くわけでもなく、見た目はただの背の高いイネ科の草なのですが、用途が広いので日本でも園芸の品種としてハーブ愛好家に人気があります。

夏には「冷たいレモングラス緑茶」、これから迎える冬には「レモングラス入りのホットジンジャーティー」などがピッタリですね。

お茶に入れたり、料理に風味をつけたりするのに使われるほか、香水や石鹸、エッセンシャルオイルなどにも利用されています。

そのほか『四川中薬志』という漢方薬の本には、このレモングラス500gを煎じ、入浴剤として使用すると風寒湿(ふうかんしつ)つまり「風邪、寒邪、湿邪の三邪」による全身の痛みや痺れに効くと記されています。
漢方医学の分野でも「檸檬香茅」という名称で、その効能が認められています。
 

すぐれた栄養価と健康効果


東南アジアでは広く生産または自生していますので、それらの国の料理には必ずといってよいほど、香料や調味料として使われます。

実際、多くの南国の料理の中で、レモングラスは欠かせないハーブとされています。タイのトムヤムクンや海南鶏飯(海南島の鶏肉飯)などの酸味と甘味は、レモングラスを使って出したものであり、独特の香りが味を引き立てています。

またレモングラスは、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB群、葉酸などのほか、マグネシウム、亜鉛、銅、鉄、カリウム、カルシウム、リンなどの各種ミネラルを豊富に含んでいるため、食欲をそそるだけでなく、血液の循環を促進することができます。

さらに免疫力を向上させ、脂肪を燃焼させるので、ダイエットなどの利点もあると言われています。

美肌やメンタル面にも有益


レモングラスにはビタミンCが豊富に含まれていますので、レモングラスのエッセンシャルオイルを保湿液の中に一滴たらすと、肌の明るさが増します。

同じくビタミンAは肌を修復し、老化を防止し、角質を軟化してニキビを予防します。レモングラスは肌の皮脂の分泌を調節してくれるので、脂性の肌の方にぴったりです。

レモングラス入りのローションも市販されていますので、洗顔後のスキンケアにお試しになってはいかがでしょうか。

また、レモングラスのエッセンシャルオイルが混合された乳液を、筋肉痛の部位に塗布してマッサージすると、神経を刺激し、たまった乳酸を除去して、痛みを緩和する効果があります。

さらに、レモングラスの放つ清らかな香りは、気分をリフレッシュさせ、メンタル面のバランスを維持するのにも役立ちます。

さて、こんなに用途の多いレモングラスですが、南国の植物であるため寒さに弱いという欠点があります。多年草ですので枯れない限り続けて生長していきますが、日本の冬は、彼らにとってちょっと寒すぎるかもしれません。

そこで、冬越しの方法として、鉢植えならば夜間は室内に入れる。庭植えであれば、冬の初めに伸びた葉を短く刈り込み、残った株に腐葉土やワラなどをかぶせて保温するという方法があります。

冬の寒さを乗り越えれば、ほとんど手間をかけることもなく元気に育つハーブです。お庭やベランダがあれば、ぜひご家庭でもお試しください。
(翻訳編集・鳥飼聡)