写真家が綴る「仕事の話をするのが怖い」トイレ清掃員の父親と家族の物語【感動】

英国人写真家のアカシ(GMB Akash)さんは、自身のFacebookで、生き生きとした表情の写真を公開し、心温まる父親の愛の物語を共有しました。その写真には、自分が地味な仕事をしていると思う、ある父親が写っています。彼は娘たちの将来の幸せを築くために一生懸命働き、自分がどんな仕事をしているのか、あえて娘たちには話そうとしません。

美しい肖像画で物語を語るのが好きなアカシさんは、自身のFacebookで「私の撮る写真の中には、人間の美しさと人間の魂を見ることができます。 私が描く人たちの中に、過酷で悲劇的な状況に苦しんでいる人もいるかもしれませんが、人間の本質には常に並外れた魂があると信じています」と投稿しています。

この写真の主人公の名は、イドリス(Idris)です。この写真を撮ったアカシさんは、彼の物語を自伝風に書き記しました。

「私は、自分の職業を子供たちに話したことがありません。自分のせいで恥ずかしい思いを彼らにさせたくないからです。ある日、末娘に職業を聞かれましたが、口ごもりながら『体力仕事だよ』と答えました。私は毎日、公衆トイレで体を洗ってから帰宅するので、子供たちにバレることはありません」

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「私はトイレ清掃員ですが、人々の軽蔑の眼差しに屈辱を感じます。ですから、娘たちには、私と同じようになってほしくないと思っています。私は娘たちを学校に通わせ、教育を受けさせ、彼女たちが威厳を持って人前に立つことを望んでいます。私は新しいシャツを買ったことはなく、娘の教育にすべてのお金を投資しています」

「娘の大学費用の締め切り前日、教育費を捻出することができず、その日は落ち込んで仕事になりませんでした。 同僚は皆、遠くから私を見ていましたが、誰も私に声をかけてはくれませんでした。私は落胆し、貧乏人の生まれだから、何もいいことがないんだと思いました」

落ち込む父親。 (この記事とは関係ありません)(Zinkevych / PIXTA)

「仕事が終わると、同僚たちは皆私の周りに集まってきて、私の横に座り、『自分たちを兄弟だと思っているか』と聞いてきました。 私が何も言わないうちに、彼らはその日の稼ぎをすべて私に与えました。断ろうとすると『必要なら1日くらいは空腹でもいい。でも、娘は大学に行かせなければだめだ』と彼らは言ったのです。私は言葉を失いました。その日は体も洗わずに家に帰りました」

「今、長女は大学卒業を間近に控え、お金を稼ぐためにアルバイトをしていますが、すでに働いている他の3人の娘たちは学費を出すだけでなく、『もう働かないでほしい』とも言っています。 長女はよく私の職場に来て、私や同僚に差し入れをして一緒に食べています」

「すると、『どうしていつも食べ物を持ってきてくれるの?』と同僚は嬉しそうに彼女に尋ねます。長女は『あの日、皆さんが私のためにお腹を空かせてくれたから、今の私があるんです。できることなら毎日でも皆さんに差し入れしたいです』と言いました」

「今では、自分が貧乏人だという意識はなくなりました。こんな子供がいるのに、どうして貧乏と言えますか?」

嫣華