本記事とは関係ありません。イメージ画像。内モンゴル(Cancan Chu/Getty Images)

「文化的ジェノサイド」が続く大草原 住民の土地を奪い、抗議者を重機で故意に轢く=中国・内モンゴル

中国政府による「文化的ジェノサイド」が続く内モンゴル。そこには、爽やかな草原の風ではなく、中国共産党の「同化政策」という冷たい烈風が吹き荒れている。

そんななか、内モンゴル(南モンゴル)の現状を情報収集し、発信する「世界モンゴル人連盟」のツイッター公式アカウントは14日、中国政府の政策に抗議する現地のモンゴル人を重機(ホイールローダー)で故意に轢き、重傷を負わせたとして、複数の写真や動画を投稿した。

投稿には、以下のような説明が添えられている。

「南モンゴル、ジャルド啊日昆都楞6月12日、中国政府がモンゴル人の土地を中国人に密売、中国人が抗議したモンゴル人を重機で故意に轢き大怪我させた。 1人目の被害者の男性で生死不明です(原文ママ)」

 

事件が起きたとされる阿日昆都楞(アリクンドゥレン)は内モンゴル自治区の東部、通遼市(つうりょうし)のジャルート旗(き)にある鎮(ちん、小さな町)である。

米政府系放送局のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、この場所では、2016年4月に、家畜の病気や死亡をもたらした工場汚染に対して、モンゴル人の牧民が集団で抗議する事件が起きている。抗議に参加した牧民は、その後警察によって逮捕されている。

「世界モンゴル人連盟」が投稿したものと同じ動画を、自身のアカウントで投稿した別のツイッターユーザーである楊海英氏は、次のように訴えている。

「南モンゴルで毎日のように繰り広げられる暴力。草原を奪って、原住民を追放しようとする暴力。この暴力は国境を超えて北モンゴルにも波及。民族全体の災禍をどう対処すべきか?(原文ママ)」(関連動画はこちら

昨年11月、内モンゴル自治区におけるモンゴル民族の自決権確立を目指す国際組織「世界南モンゴル会議」のショブチョード・テムチルト代表が来日し、産経新聞の取材に応じた際にも、中国政府による「文化的ジェノサイド」政策を批判した。

この時、亡命先のドイツから来日したテムチルト代表は、同自治区内の学校などで「中国当局は、モンゴル人である地元民のモンゴル語使用を制限するとともに、抗議する人々を拘束している」と述べた。

さらにテムチルト代表は、このような中国の非人道的な政策にストップをかけてほしいという思いから「日本がこの問題に関与すること」を求めた。

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