11月9日夕方6時ごろ、広東省深セン市龍華区の路上で通行人を無差別に襲う「通り魔事件」が発生した。イメージ画像。大気汚染がひどい北京に立つマスク姿の男性(Kevin Frayer/Getty Images)

通行人を襲う「通り魔事件」発生 当局はネット情報を消して隠蔽=中国 深セン

【閲覧注意】本記事には、被害者の流血の写真が添付されています。ご注意ください。

今月9日夕方6時ごろ、広東省深セン市龍華区の路上で、刃物をもった男が通行人を無差別に襲う「通り魔事件」が発生した。現地当局の発表では1人が死亡し、3人が負傷した。

容疑者の唐という男(37歲)は、すでに逮捕された。いっぽう、この悲惨な事件を隠蔽したい当局は、ネット上の関連する話題について「検閲」に乗り出している模様だ。

ネット上に流出した大量の事件当時の映像や写真のなかには、救援を待つ血だらけの市民たちの姿があった。

なかには、子供を抱いて地べたに座りこむ女性の姿もある。その周囲の地面は、血が一面に広がっていた。未確認であるが「子供の喉が切り裂かれた」とも言われている。

 

11月9日夕方6時ごろ、広東省深セン市龍華区の路上で起きた「通り魔事件」。子供を抱いて座り込む女性の姿もある。(SNSより)

 

地元住民によると「犯行があった場所は、人口密度が高い密集地だ。近くには交差点もあったため、人々は逃げようにも逃げられなかった」という。また、事件の後「安定維持を第一に考える」当局は迅速に現場を封鎖し、地面の血痕を消した。

「また社会報復か」と見られる今回の事件は、その日のうちに中国SNSウェイボー(微博)のホットリサーチ入りした。しかし、数時間後には当局によって削除され、ネットに流れていた事件関係の画像や映像もすべて消された。

この犯人にどのような背景があるか、その動機もふくめて、現時点では不明である。

ただ、昨今の中国で、無差別殺人に代表される「社会報復事件」が頻発していることは確かだ。しかも、その頻度は高くなっているといってよい。

 

関連記事
このほど、中国河南省の銀行職員が顧客の預金を横領したことが中国メディアによって報じられた。関連トピックスが中国SNSのトレンド入りすると共に、同様の被害を訴える預金者が続出している。
2024年5月、中国江蘇省蘇州市常熟市にある公園が公開から5カ月足らずで取り壊されたことがわかった。
このほど、「買って1カ月のBYDのEV車(新車)が運転中に漏電し、運転手が電撃傷などを負ったことがわかった。
中国での新型コロナウイルスの流行は、一時も収束したことがない。最近、感染力がより強いとされる新型コロナウイルスの変異株KP.2が拡散し、中共政府は、広東省がこの状況を抑えきれなくなったと、初めて公表した。
「おから工事」と呼ばれる手抜き工事で大勢の犠牲者を出した四川大地震(汶川地震)から16年が過ぎたが、「政府がした約束は今も守られていない」と遺族は訴える。