張又侠拘束の党内支持確保に困難か 専門家「習は苦境に立っている」

2026/02/08
更新: 2026/02/08

中国共産党の全国人民代表大会(全人代)常務委員会が臨時会議を開いたものの、予想されていた中央軍事委員会副主席・張又侠(ちょうゆうきょう)の全人代代表資格の剥奪は行われなかった。

習近平が政治局会議と全人代会議を通じて張の拘束に「合法性の手続き」を行おうとしたが、いずれも失敗したとの分析が出ている。

2月4日、第14期全人代常務委員会第20回会議が北京で開催された。今回の会議は臨時に追加されたもので、通常の会議日程には含まれていなかった。

この会議で張又侠および中央軍事委員・劉振立の全人代代表資格が剥奪され、さらに国家中央軍事委員としての職務からも解任される可能性があると予測されていた。

しかし、会議終了後に発表された通知では、張・劉については一切触れられず、長期間姿を消していた別の全人代代表3人の資格剥奪のみが発表された。この予想外の結果に、さまざまな憶測を呼んでいる。

時事評論家の藍述氏は、「今回罷免された官僚はすでに調査が終了し問題の性質が確定していたが、張又侠と劉振立の調査は始まったばかりで、問題の性質がまだ定まっていない。これは党内の組織手続きの問題だ」と分析した。

一方、評論家の王赫氏は、「事態はまだ決着していない。張又侠は個人の問題にとどまらず、中共軍、太子党、長老を代表する存在であり、これら多くの勢力が習近平勢力と激しく対抗している」と指摘した。

さらに王氏は、張の立件は党中央の決定によるものであり、通常は中央委員会閉会中であれば政治局会議で決定し、その後中央全会で追認されるはずだと分析した。

しかし、1月末に開かれた政治局会議では張又俠に一切言及がなく、「政治局が立件を裏付けていないことを意味し、最高指導部内で激しい駆け引きが存在することを示している」と述べた。

張又侠拘束の合法性確保に困難か

先月、中共軍は突然、張又侠と劉振立が失脚し調査対象となったと発表したが、党内の通常手続きに沿っていないとして、上層部の権力闘争に基づく「政変」との見方も出ていた。

米国在住の評論家・唐靖遠氏は、自身の番組で次のように分析した。

これまでの中央軍事委員会メンバーである何衛東、苗華の案件は半年以上の調査と正式手続きを経て失脚が公表されたが、張・劉案件は習近平が拘束したわずか4日後に公式発表され、党内の正当な手続きを経ていない「異例の案件」だという。

今年3月には全国人民代表大会と政治協商会議からなる「両会」が開催される予定であり、軍機関紙の社説が張・劉案件に「五つの重大罪」を認定した以上、両者が代表資格を維持したまま出席するのは不自然だと指摘。

その上で、習近平にとって2月中に代表の資格を剥奪し、最低限の「合法性」を補う必要があったとされる。これは「先に実行し、後から手続きを補う(先上車、後補票)」の手法だという。

しかし唐氏は、習近平は現在苦境に立っている状況にあると分析。張の拘束に対する党・政府・軍内部の抵抗を過小評価していた可能性があり、軍は現時点で拘束への支持を表明していないという。

1月30日の政治局会議に続き、2月4日の全人代常委会でも「補票」に失敗したことは、習近平が手続きを整えたくても党内の抵抗により実現できない状況を示すものだと指摘。

習派と反習派の対立が激化し、少なくとも現段階では拘束の「合法性」を確保できていないとみられている。

唐氏はさらに、2月4日に習近平がロシアのプーチン大統領、米国のトランプ大統領と相次いで電話会談し訪中を招請、多くの優遇措置を提示したことにも言及。張の案件で苦境に立つ中、両首脳の訪中によって国内外に影響力を示そうとした可能性があると指摘した。

新唐人