台湾台北市、投票所に並ぶ市民。2024年1月13日撮影。(I-HWA CHENG/AFP via Getty Images)

頼候補が当選確実 中国SNSでも大人気の「台湾選挙」を、中共当局は血眼で「削除」

現在も開票中の台湾総統選挙は、他の2候補を大きくリードしていた頼清徳候補(民進党)に対して、日本時間の午後9時過ぎ、頼氏を2番手で追っていた侯友宜候補(国民党)が支持者の前で「敗北宣言」をした。

これにより、現副総統である頼清徳候補の当選が確実となった。

台湾総統選の投開票が行われた13日、大陸側の中国ではSNS微博(ウェイボー)では同選挙の投票開始後、ハッシュタグ「台湾選挙(中国語:「台湾大選#」)」がホットリサーチ入りし、1.6億回以上の表示数を記録した。

しかし、同ハッシュタグは、投票開始から2時間以内に削除されたことがわかった。

現在、ウェイボーで、同ハッシュタグを検索すると「関連法規により、このトピックの内容は表示されません」とのメッセージが表示される。

中共官製メディアも、世界が注目する台湾選挙に対して、ほとんど報道していない。

この台湾選挙の結果は、今後の米中関係にとって大きな試練をもたらすだけでなく、米中台関係の方向性をも決定することになるため、世界中がその行方に注目していた。

一部のアナリストは「台湾選挙の結果がどうなるかにかかわらず、中共からの脅威や香港の現状を見てきた多くの台湾人は、いわゆる中共による統一計画を拒否している。そのため、台湾海峡の緊張は、最終的にさらに高まるだろう」との見解を示している。

今、その結果は出た。中共中国に対して強硬な立場を示す民進党候補が勝利し、中共に宥和的な国民党候補が敗れたのである。

この明確な民主主義の結果を前に、大陸側の中国共産党は今後どのように動くか。世界の注目は、ますますこの地域に注がれることになる。

関連記事
米海軍と台湾海軍が4月に西太平洋で合同軍事演習を行なったと、ロイター通信が14日に報じた。台湾国防部の報道官は同日の記者会見で「海上衝突回避規範に基づき、通常の訓練を行なった」と発表した。
[東京 23日 ロイター] – 米インド太平洋軍のアキリーノ司令官は23日、中国経済が「失敗」しつ […]
笹川平和財団は台湾有事を想定した机上演習を実施し、その報告書を3月末に公表した。報告書によると、もし米中が台湾をめぐり軍事衝突した場合、日米台すべてに甚大な被害が及ぶことが明らかになった。
台湾国防部は3日、中国軍機30機と海軍の艦船9隻が2日朝から3日朝にかけて、台湾周辺の空海域で確認されたと発表した。一部の軍用機は台湾海峡の中間線を越え、台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入した。
ロシアによるウクライナ戦争が続く一方、中国共産党による台湾有事のリスクが高まっている。世界最大の軍事力を備える米国は、力の配分という難題に直面する。専門家の2人は「米国はウクライナより台湾を優先すべき」を論題にした安全保障政策をめぐる議論を通じて、米国の課題をあぶり出した。