中国経済が悪化の一途をたどるなか、1杯6200元もする超高級コーヒーを販売することで有名なスペシャルティコーヒー店「根本咖啡」が、全店舗を閉鎖することになった。コーヒーのイメージ画像。(Table-K / PIXTA)

1杯「13万円」の「超高級コーヒー」を売るお店 全店が閉店へ=中国

中国経済は、悪化の一途をたどっている。

収入が全く増えず、いかなる特権も持たない多くの民衆は、ともかく「生存すること」に力を集中するため、今は極力消費を控えている。かつての90年代、騒々しいほどのバブル景気に沸いた頃の中国は、もはや見る影もない。

そのようななか「1杯が6200元(約12.8万円)」という超高級コーヒーを販売することで有名なスペシャルティコーヒー店「根本咖啡」が、まもなく全店舗を閉鎖することになった。

中国の飲食専門サイト「紅餐網」は15日、広東省広州市番禺天河城に店舗を構えている根本咖啡が「1週間後に閉店する」と伝えた。

これで、当初から中国にわずか4店舗しかなかった「根本咖啡」のうち、最後の店舗が消えて、全店が閉店となる。

これに先立ち、中国メディア「新民晚報」は今月10日、「根本咖啡」の上海店が突然閉鎖され「店内が空っぽになった」と報じていた。

上海や広州の店舗の閉店理由について尋ねられた「根本咖啡」の職員は、「経営状況が良くなかったから」と明かしている。

「根本咖啡」は2022年に創業。以来、広州(3店舗)と、のちに上海(1店舗)の合計4店舗を展開してきた。

そのうち、広州にある2店舗は昨年9月に閉店したが、同年11月、上海に鞍替えして出店し「1杯、6200元」という高額のコーヒーを販売することで有名になった。

しかしその上海店も、わずか2か月で、先述のように「突然、空っぽになって」閉店。残った広州の1店舗も、まもなく消えることになる。

当時の「根本咖啡」上海店によると、「1杯、6200元のコーヒー」は世界で最も注目を集めるコーヒー品評会「Best of Panama 2023(ベスト オブ パナマ)」のコンテストで第1位を獲得したコーヒー豆を使用。「数量に限りがあるため、高価だ」という。

関連記事
2024年5月9日、「小学校2年の息子が学校の昼休み時間に異常な死に方を遂げた、学校に説明を求めるも現地公安によって殴打された」と訴える母親の動画や画像が中国のネット上で検閲に遭っている。(母親が発信した動画より)
近頃、複数の報道機関によると、中国に存在する偽の学術機関が「院士」の選出を装い、詐欺行為を行っており、40万元の人民幣を支払えば「外国籍院士」の認定証を購入することができるとされている。
経済悪化が続く中国では水道、電気、ガス料金の値上げに続き、来月からは高速鉄道の運賃まで高くなることが発表された。
習近平の欧州訪問に際して、ブルームバーグは5月7日、「アメリカは中国人と中国共産党の関係を理解していない」と題する記事を掲載した。世界各国の指導者は中国共産党と中国人民を区別する必要があると強調した。
広西自治区の南寧市で、激しい降雨により多くの市街地が水没し、車両が流されるという被害が出た。しかし、住民たちはこの水害が単なる自然災害ではなく、市内の排水設備の不備と、それに関連する工事の不正行為が原因だと声を上げている。