シリーズ:【時代の名人】

米メディアの「トップスター」 タッカー・カールソン氏が自由を守るために戦う【時代の名人】(前編)

アメリカのメディアは、左派と右派の立場がはっきりしており、ほとんどの主流メディアが民主党寄りの左派です。フォックス(FOX)TVニュースがほぼ唯一の共和党寄りの保守派主流メディアです。

そして少し前に、最も明確な保守派のフォックスニュースのエース司会者であるタッカー・カールソン氏が突然解雇され、アメリカの政界とメディア界に波紋を広げています。民主党やリベラル派の一部は、カールソン氏の退職を喜び、国防総省当局者さえも勝利と見なしています。

共和党の保守派は、カールソン氏がフォックスを解雇されたことに驚いています。アメリカの前大統領トランプ氏はTruth Socialで、「これは有線テレビニュースとアメリカにとって大きな打撃だ」と述べました。アメリカの右派メディアが象徴的な要塞を失い、左派メディアがほぼ独占する状況で、民主党の価値観の一党独占の局面が目前に迫っているようです。

フォックスがカールソン氏を解任した後、視聴率が急落し、株価も急落しました。市場価格は2日間で5億ドル(約740億円)以上蒸発しました。彼が退職した後、多くのメディアから招待を受け、ロシアの国営テレビ局RTは辞任の数時間後に招待状を送りました。

さらに、民間機関が彼に大統領選挙に立候補するように促しており、世界最大の賭博会社ベットフェアは最近、彼が2024年の大統領選挙に出馬するかどうかの賭けを行いました。

なぜタッカー・カールソン氏はこれほど影響力があるのでしょうか?  彼の力はどこからくるのでしょうか? 父親ディック・カールソン氏は彼をメディア業界に紹介してくれました。

彼のメディアキャリアの輝かしい瞬間と前途は、アメリカの政治とビジネス界の二つの大物であるトランプ氏とマスク氏の運命と結びついています。彼は保守党元大統領トランプ氏、新興右派の先駆者であるツイッターの最高経営責任者(CEO)マスク氏との最も重要なインタビューを完了したばかりで、すぐに解雇されました。

彼の番組では、自由と真実の追求が一貫したテーマです。
 

父親と共にメディアで戦う

タッカー・カールソン氏は1969年5月にカリフォルニア州サンフランシスコで生まれ、裕福な家庭に育ち、幼少期から高い学費のかかる私立学校に通っていました。父親のディック・カールソン氏は、豊富なメディアと政治の経験を持っており、レーガン大統領の下で6年間ボイス・オブ・アメリカ(VOA)のディレクターを務め、同時にアメリカ新聞局の局長も兼任していました。

ディック・カールソン氏が率いるVOAは、共産主義ソ連の解体や冷戦の終結に重要な役割を果たしました。また、キューバ向けに放送するラジオ・マルティを率いていました。

ディック・カールソン氏は新聞や通信社の記者、雑誌の執筆者、テレビやラジオの記者、そしてドキュメンタリーのプロデューサーを務めた経験豊富なニュースメディアのベテランです。1991年10月~1992年7月、ディック・カールソン氏はジョージ・H・W・ブッシュ元大統領によってセーシェル大使に任命されました。

タッカー・カールソン氏のキャリアと考え方は、父親の影響を深く受けています。父親の指導のもとで、メディアの道に進み、父親の保守的な立場を受け継ぎました。

彼の母親は芸術家でしたが、彼が6歳のときに離婚して、家を出て行きました。継母はスワンソン冷凍食品帝国の相続人です。1991年、彼は高校時代の恋人スーザン・アンドリュースさんと結婚し、3人の娘と1人の息子を育てました。彼は敬虔な聖公会信者です。彼の義父は牧師であり、彼と妻が通った私立高校の校長でもありました。

その後、カールソン氏はコネチカット州ハートフォードのトリニティ・カレッジで歴史学の学位を取得しました。

 

左派と右派の三大メディアを経験

カールソン氏は若い頃からリベラルな傾向がありました、アメリカの有線テレビニュースネットワーク(CNN)、マイクロソフトの全米放送会社(MSNBC)、フォックスニュース(Fox News)という3つの大手メディアで勤務し、非常に高い才能を示しました。

1990年代、彼はニューズウィーク誌に寄稿し始め、メディアのキャリアが始まりました。2000~05年、彼は当時最も影響力のあった左派テレビメディアCNNに入社し、「クロスファイア」の共同司会者を務め、知名度を高めましたが、個性が強すぎて共同司会者と口論があり、CNNから解雇されました。

その後、彼はもう一つの左派メディアの大手であるMSNBCに入社し、自分の名を冠した夜の番組 “タッカー” の司会を務めました。番組で2006年のレバノン戦争を生中継しました。しかし、その番組は成功せず、3年後に再び解雇されました。彼は様々な困難を経験し、左派メディアでは自分にふさわしい足場を見つけることができませんでした。

2009年、彼は影響力を増している保守派メディアのフォックスニュースに入社し、政治分析コメンテーターを務め、さまざまな番組の司会を務めています。

2016年11月14日から、彼はフォックスニュースチャンネルで自分の名を冠した政治解説番組「カールソン・トゥナイト」の司会を務めました。
この番組は、その時間帯で最高視聴率を記録し、後に午後8時に移動されました。2017年以降、この番組はチャンネル史上最高の視聴率を達成しました。フォックスニュースはアメリカの保守派が集まる場所であり、彼はついに右派メディアで自分の位置を見つけました。

調査によると、彼の午後8時の番組は、1回の放送で300万人の視聴率を記録し、同じ時間帯のCNNやMSNBCの視聴者の2倍以上です。

2016年はトランプ氏が共和党の大統領候補に選出され、民主党の対立候補ヒラリーを破り、大統領に当選した重要な年でした。彼もこの年に有名になった番組を開始し、アメリカで最も影響力のある有名な司会者の1人となりました。
 

(つづく)