子どもの喘息が記憶力に影響を与える可能性:研究結果

新たな研究によると、子どもの喘息が、認知発達に悪影響を及ぼす可能性があり、特に幼少期に発症した場合、記憶力の低下と関連していることがわかりました。

この研究は『JAMA Network Open』にて発表され、9歳から10歳の子ども約1万1,800人を対象にした「思春期脳認知発達(ABCD)研究」のデータを分析しました。その結果、12歳未満で喘息を発症した子どもは、慢性的な呼吸器疾患を持たない同年代の子どもと比較して、エピソード記憶(体験や出来事を思い出す能力)のテストで低いスコアを示しました。

この研究結果は、喘息が脳に及ぼす影響が、長期的に続く可能性を示唆しており、将来的に認知症やアルツハイマー病のリスクを高める可能性があるとしています。 

▶ 続きを読む
関連記事
初めての心不全・脳卒中の影に、実は99%以上が共通の4つの兆候を抱えていた――最新研究が示した「見逃しやすい危険信号」と、予防のために今すぐ見直すべき生活習慣をわかりやすく解説します。
脳卒中は「突然の病」だけでなく「慢性的な疾患」です。ですが、生活習慣や健康管理によって発症の8割は予防できます。まずは脳卒中のタイプと危険サインを理解することが重要です。
認知行動療法によって脳の灰白質体積が増加し、うつ症状が改善することがMRIで確認されました。脳は固定された器官ではなく、思考の訓練によって構造が変化し回復力が高まることが科学的に示されたのです。
自閉症の新たな希望として注目されるロイコボリン。脳の葉酸不足に働きかけ、言語や行動の改善が報告される理由と最新研究をわかりやすく紹介する内容です。
MIT研究で、AIを使った学生の記憶形成は弱まり、脳活動が低下していたことが判明。効率の裏で創造性や思考力が損なわれる可能性が指摘される。