ステーキを食べるときに焼き加減を気にするように、「バナナはどのぐらい熟しているのがよいのか?」と考えたことはあるでしょうか。専門家によると、バナナの栄養価は食べる時点の熟度によって変化するため、目的に応じて適した熟度を選ぶことが大切だといいます。
『ハフィントン・ポスト』の記事によれば、バナナは熟していく過程で、糖質やデンプン、ビタミンの含有量が変化します。つまり、運動前に素早く糖分を補給したいときや、糖尿病のために糖質の摂取を控えたいときなど、目的に応じた熟度の選び方があるのです。
アメリカの登録栄養士2名が、熟度ごとのバナナの特徴と、それぞれの健康効果について解説しています。
未熟(青め)

この段階のバナナは緑色で硬く、皮もむきにくいのが特徴です。管理栄養士のエイブリー・ゼンカー氏によると、この時期のバナナはレジスタントスターチ(難消化性デンプン)が最も豊富で、糖分は最も少ないといいます。
ゼンカー氏は、レジスタントスターチには腸内の善玉菌を増やして炎症を抑え、血糖値を安定させる効果があると説明しています。また、消化に時間がかかるため、満腹感が長続きします。
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校の講師であり、管理栄養士のアマンダ・ソセダ氏は、「レジスタントスターチは食物繊維に似た働きをし、腸内で発酵してプロバイオティクスの餌となり、血糖管理にも役立ちます」と補足しています。
ゼンカー氏によると、この段階のバナナは血糖値のコントロールをしたい人、糖尿病予備群や2型糖尿病、その他の代謝性疾患を持つ人に非常に適しています。また、腸の健康を改善したい人、特に過敏性腸症候群(IBS)など消化器に不調のある人にも向いています。
ソセダ氏は、「栄養効果を高めたいなら、ピーナッツバターと一緒に食べるのがおすすめです」と述べています。タンパク質と良質な脂質を加えることで、血糖値の急上昇を抑え、腸の健康にも効果的です。
成熟直前

この段階のバナナは全体がほぼ黄色で、両端にわずかに緑色が残っています。やや柔らかくなりますが、まだしっかりとした食感が残っています。レジスタントスターチは減ってきますが、未熟バナナより糖分は高めで、食物繊維は豊富です。
ゼンカー氏によると、この熟度ではレジスタントスターチが単糖へと変化し始めますが、カリウムやマグネシウムなどのミネラルは依然として豊富に含まれています。
未熟バナナと同様に、インスリン抵抗性がある人や、糖尿病予備群、糖尿病、代謝症候群、消化器に不調のある人にも適しています。
未熟バナナの消化サポート効果は取り入れたいけれど、粉っぽい食感が苦手な人や、1日を通して血糖値の急激な変動を避けたい人にとって、特におすすめの熟度です。
成熟

この段階のバナナは全体的に黄色く、ほどよい柔らかさがあり、甘い香りも感じられます。皮も簡単にむけます。
栄養価は「成熟直前」とほぼ同じですが、ゼンカー氏によれば、デンプンの多くが天然の糖分に変わり、糖質と抗酸化物質が増加し、食物繊維は減少します。ビタミンとミネラルはこの時期にピークに達するそうです。
運動前のエネルギー補給や、カリウムを多く摂りたい人、子どものおやつ、「食物繊維は摂りたいけれど消化の負担は避けたい」という人に向いています。
完熟

この段階のバナナは柔らかくなり、茶色い斑点が広がり、香りも強くなります。ゼンカー氏は、「糖分はピークに近づき、食物繊維はさらに減ります」と説明しています。
素早くエネルギー補給をしたい人、消化力が弱い人、食欲がないときや甘いものが欲しいときに適しています。ただし、血糖値を管理している人にはあまり向きません。
過熟

この段階では、バナナは茶色や黒色に変わり、とても柔らかく、ペースト状になることもあります。ゼンカー氏によれば、糖分と抗酸化物質は最も高く、食物繊維は最も少なくなります。ビタミンCは減少しますが、カリウムは維持されるとのことです。
他のビタミンは増えるものもあれば、減少するものもあるようです。ソセダ氏は、過熟のバナナは成熟したバナナよりも葉酸が多く含まれていると説明しています。
ゼンカー氏は、「この段階のバナナは生で食べるよりも、焼き菓子や冷凍に使うのが向いています(例:バナナブレッド、クッキー、スムージー)。消化が良いため、運動選手など素早いエネルギー補給が必要な人に適していますが、糖尿病の人や高い食物繊維・栄養価を求める人には適していません」と述べています。
ソセダ氏は「熟度に関係なく、バナナは栄養価の高い素晴らしい果物です」とまとめています。
なお、バナナには多くの健康効果があり、その一つが「ダイエット効果」です。太ることを気にする人でも安心して食べられる果物で、食物繊維、ビタミンB群、カリウムが豊富なため、基礎代謝を高め、脂肪燃焼を助けてくれます。
(翻訳編集 正道勇)
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