ブルーベリーの健康効果を最大限に引き出す食べ方・保存法

ブルーベリーには抗酸化物質が豊富に含まれています。しかし、その恩恵を十分に得られるかどうかは、調理方法や一緒に食べるもの、保存方法によって変わります。

毎日1カップのブルーベリーを食べていても、その恩恵の大半を得られていないかもしれません。それはブルーベリーの力が弱いからではなく、食べた後に体内で起こることが関係しているためです。

ブルーベリーがどのように保存・調理されたか、何と一緒に食べるか、消化がどのように進むか、さらには腸内にすむ細菌までが、体が吸収し利用できる成分の量に影響します。
 

ブルーベリーに含まれるもの

ブルーベリーが健康によいのは、ポリフェノールと呼ばれる抗酸化物質を含んでいるためです。ポリフェノールは、植物が日光による損傷や病原体などから身を守るためにつくり出す化合物です。ブルーベリーの濃い青紫色は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンに由来します。アントシアニンは、ブルーベリーに含まれるポリフェノールの最大80%を占めています。

生のブルーベリーには通常、100g当たり約90〜820mgのアントシアニンが含まれています。ただし、その量は種や栽培品種、生育条件、熟し具合によって異なります。比較として、市販品を対象にしたある調査では、生食用の赤ブドウに含まれるアントシアニンは100g当たり約8〜15mg、黒ブドウでは46〜68mgでした。

人の体内では、ポリフェノールやアントシアニンが酸化ストレス(活性酸素などによって細胞や組織が傷つきやすくなった状態)や炎症を軽減します。
 

「含まれている量」が「体に取り込まれる量」とは限らない理由

アントシアニンの生体利用率(摂取した成分が体内に吸収され、利用される割合)は、驚くほど低いものです。元の形のまま消化管から吸収されるのは5%未満です。ただし、この数字には、消化中にアントシアニンが変化してできる多くの代謝物は含まれていません。そこには、元の色素だけを調べる検査では見落とされる可能性のある、構造が変化したものや無色のもの、分解によって生じた物質なども含まれます。

消化管の上部で吸収されなかったものの多くは大腸に届き、そこで腸内細菌によって、より小さなフェノール性化合物(ポリフェノールなどに共通する化学構造を持つ物質)に分解されます。これらの代謝物は腸の粘膜を通り抜けて血液中に入り、肝臓でさらに代謝されることがあります。

つまり、ブルーベリーの恩恵の大半は、アントシアニンそのものではなく、腸内細菌がアントシアニンを変換してできた物質から得られる可能性があります。そのため、同じ量を食べても、腸内細菌叢(腸内にすむさまざまな細菌の集まり)の違いによって、得られる恩恵は人によって異なります。

食品の構造も重要です。ブルーベリーの皮や食物繊維、細胞壁は、アントシアニンを分解から守り、消化中にゆっくりと放出させる働きをすることがあります。ミキサーにかける、加熱する、乾燥させるといった加工は、この構造を壊します。その結果、成分が放出されやすくなる一方で、分解を促す熱や酸素にもさらされることになります。

ブルーベリーを何と一緒に食べるかによっても、結果は変わります。

牛乳: 乳製品に関する研究結果は一致していません。ある小規模な研究では、ブルーベリーを牛乳と一緒に摂取すると、水と一緒に摂取した場合に比べ、抗酸化作用の高まりが抑えられました。同じ研究の実験室での検査では、牛乳のたんぱく質や脂肪がブルーベリーの一部の成分を取り込んで閉じ込める可能性が示されましたが、正確な仕組みはまだ明らかではありません。

栄養の専門家で、レスバイオティック・ニュートリション社の科学・提携担当副社長を務めるカーラ・サイドマン氏は、ほかの果物や野菜でも、保存や調理によって同様の化学変化が起こると、大紀元の取材に答えました。「体は、それでも健康によい成分を十分に吸収できます」と同氏は述べています。「乳製品によって、ブルーベリーの基本的な健康上の価値が損なわれることはありません」

鉄: 閉経前の女性を対象とした2025年の研究では、一定量の鉄と一緒にブルーベリーを摂取すると、植物性食品に含まれる非ヘム鉄の吸収が低下しました。これは、ブルーベリーのポリフェノールが消化管内で鉄と結びつき、体に吸収されにくくなるためと考えられます。「研究による裏付けは限られているため、たまに一緒に摂取する程度であれば、大きな問題になる可能性は低いでしょう。ただし、ブルーベリーと鉄のサプリメントの摂取間隔を2時間ほど空けることをお勧めします」とサイドマン氏は述べています。

ブルーベリーが食卓に届くまでに何が起こるかも重要です。光、熱、酸素、時間の経過は、いずれもアントシアニンの分解を加速させます。保存方法としては、冷凍が最もよいかもしれません。ある研究では、冷凍したブルーベリーは3カ月間、アントシアニンの有意な減少が見られなかった一方、棚式乾燥(棚に食品を並べて熱風などで乾燥させる一般的な乾燥方法)では、アントシアニンの量が41%減少しました。
 

全身の健康にもたらす恩恵

ブルーベリーのポリフェノールは、細胞が自らつくる抗酸化酵素の産生を促すことなどを通じて、酸化ストレスや炎症を軽減すると考えられています。11件の試験をまとめた2024年のメタ解析では、ブルーベリーの摂取によって血管の拡張が改善し、拡張期血圧——心拍と心拍の間に動脈にかかる圧力がわずかに低下しました。これらの成分には、インスリン抵抗性を軽減し、いわゆる悪玉コレステロールを減らし、2型糖尿病のリスクを下げる働きがあることも示されています。

脳にも恩恵があるかもしれませんが、研究結果は報道の見出しから受ける印象ほど一様ではありません。ある試験では、1日約1カップのブルーベリーを3カ月間摂取すると、前帯状皮質の血流が増加しました。前帯状皮質は、注意力や、意思決定・計画・判断などの実行機能に関わる脳の領域です。しかし、14件の無作為化試験を対象とした別のレビューでは、より慎重な結論が示されました。血管機能は改善したものの、認知機能全体には統計的に有意な改善が認められませんでした。

つまり、ブルーベリーは脳の血流や血管機能に変化をもたらすと考えられますが、それが測定可能な認知機能の改善につながることは、まだ証明されていません。

遺伝子に関する研究も進み始めています。ブルーベリーの成分が、AMP活性化プロテインキナーゼに影響する可能性が示されています。これは細胞内でセンサーとして働く酵素で、細胞によるブドウ糖や脂肪の利用、エネルギー産生の調節を助けます。

ある小規模な研究では、生ブルーベリー2カップ分に相当する野生種のブルーベリー粉末を毎日12週間摂取することで、DNAメチル化に変化が生じるかを調べました。DNAメチル化とは、DNAそのものを変えずに、遺伝子の働きのオン・オフの調節を助ける化学的な目印が付くことです。研究者らは、脳の情報伝達、心血管機能、代謝に関わる遺伝子で、メチル化のパターンに変化が生じたことを確認しました。

研究著者の一人で、ノースカロライナ州立大学の「植物と人の健康研究所」に所属する博士研究員のジョセフ・アルバロ氏は、大紀元の取材に対して、次のように述べました。「今回の研究は、食事でブルーベリーを摂取することが、少なくとも一部はエピジェネティックな調節(DNAの配列を変えずに遺伝子の働きを調節する仕組み)を通じて、健康的に年齢を重ねることを促す可能性があるという仮説を、その仕組みの面から裏付ける証拠を示しています」

「これらの結果は有望ですが、現時点では、今後検証すべき仮説を導き出す段階にとどまります」

こうした分子レベルの変化が、測定可能な健康上の恩恵につながるかどうかを判断するには、より大規模な試験が必要です。
 

ブルーベリーの恩恵を最大限に引き出すには

サイドマン氏は、ブルーベリーの鮮度と有益な成分を保つため、次のような工夫を紹介しました。

  • ブルーベリーは洗わずに冷蔵し、食べる直前に水で洗います。カビや傷みを促す水分を抑えるためです。
     
  • 冷凍ブルーベリーを常備しておきます。一般に、冷凍するとアントシアニンの大部分が保たれます。
     
  • できるだけ生で食べるか、加熱する場合は短時間で穏やかに火を通す方法を選びます。
     
  • 加熱調理したり焼き菓子などに使ったりしたブルーベリーからも、食物繊維や有益な植物由来の成分を摂取できます。

また、次のような方は以下の点にも注意してください。

  • 糖尿病のある方は、ジュースや加糖製品よりも、丸ごとのブルーベリーや無糖の冷凍ブルーベリーを選び、含まれる炭水化物の量も考慮しましょう。
     
  • 過敏性腸症候群などで低FODMAP食(小腸で吸収されにくく、腸内で発酵しやすい特定の糖質を控える食事法)を実践している方も、ブルーベリーは適量であれば取り入れられます。ただし、症状が出ずに食べられる量には個人差があります。
     
  • 鉄欠乏のある方は、ブルーベリーを多めに食べる際、鉄のサプリメントや鉄を豊富に含む植物性食品を使った食事とは、数時間の間隔を空けるとよいでしょう。

サイドマン氏は「実践するうえで最も大切なのは、自分が一番おいしく食べられる形で、習慣的に食べることです」と述べています。

 

(翻訳編集 井田千景)

執筆活動を始める前、レイチェルは神経疾患を専門とする作業療法士として働いていた。また、大学で基礎科学と専門作業療法のコースを教えていた。2019 年に幼児発達教育の修士号を取得した。2020 年以降、さまざまな出版物やブランドで健康に関するトピックについて幅広く執筆している。